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ホームズの娘 [読書・ミステリ]


ホームズの娘 (講談社文庫)

ホームズの娘 (講談社文庫)

  • 作者: 横関 大
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: 文庫
TVドラマにもなった「ルパンの娘」、シリーズ3巻目。

3代続く泥棒一家に育った娘・三雲華と
3代続く警官一家に生まれた青年・桜庭和馬の恋の行方を描いた第1作。
もっとも、TVドラマの方はかなり原作から改変されてるんだが
そのあたりは「ルパンの娘」の記事に書いた。

第2作「ルパンの帰還」は、華と和馬が
紆余曲折を経て結婚してからおよそ4年後に始まる。

シリーズものを紹介する都合上、この下には
第2巻の内容についてのネタバレを書くので、
「ー帰還」を未読で、これから読もうと思っている方は
これ以降の文章は読まないことを推奨します。



警視庁捜査一課の和馬のもとに新たに配属されたのは、京都で
3代続く探偵一家に生まれた娘・北条美雲だった。

和馬と華の間に生まれた娘・杏を巻き込んだ
バスジャック事件の解決に奔走する和馬と美雲を描き、
終盤では三雲家の ”黒歴史” が明かされた。

華の父・尊には姉、華にとっては伯母がいたこと。
彼女の名は三雲玲(れい)であること。
そして、天才的な頭脳をもつ凶悪犯だった彼女が
30年ぶりにこの現代日本に現れたこと・・・

さらなるサプライズは、そのラスト。
なんと北条美雲嬢は、華の兄・渉に出会った途端に一目惚れして、
彼こそ自分の運命の相手だ、と確信してしまうのだった・・・

今度は、泥棒一家の青年と探偵一家の娘という、
再びの波乱の展開を予感させる引きで第2巻は幕を閉じる。


さて、そして本書「ホームズの娘」である。
タイトル通り北条美雲嬢がメインを張り、
和馬や華はその脇を固めるという役回りになる。

前巻から数ヶ月後、都内で殺人事件が起こる。
飲食店経営者・金子隆志の妻が殺されたのだ。
容疑の筆頭は隆志だが、彼にはアリバイがあった。
しかし、これが交換殺人であることを見破った和馬と美雲によって
事件は解決され、隆志の供述から意外なことが判明する。

ネット上で ”完璧な犯行計画” を売っている何者かがいるという。
彼の犯行も、そこから購入した計画に沿って実行されたものだった。
その ”犯行立案者” が三雲玲ではないかと疑う和馬だったが・・・

一方、三雲渉への恋情が募る美雲は、彼との会食に漕ぎ着け、
ますます結婚の意思を固めるのだが、当然のことながら
その最大の障害は双方の両親だった・・・

三雲玲の次なる犯行を阻止すべく、図らずも
彼女と ”知恵比べ” をさせられる和馬と美雲、
その陰で、平穏に暮らしている華と杏に迫る魔手、
相変わらず強烈なキャラである華の両親も健在だが
新登場の美雲の両親もまた負けず劣らず存在感を示すなど
読みどころは満載だ。

中でも、第1巻ではひきもこりのハッカーとして登場した渉君が
本書ではいっぱしの実業家へと成長し、美雲嬢に対しても
意外と積極的にアプローチしていくなど
すっかり ”大人” になっていて、オジさんはびっくりだ(笑)。


さて、楽しませてくれたこのシリーズなのだけど
現時点で続巻の刊行はアナウンスされていない。

内容的にも、渉と美雲嬢の行く末が明らかになるので
これで ”完結” とも受け取れるし、
その気になればまだまだ続けられる終わり方でもあるので
あとは本書の売れ行き次第(笑)なのかも知れない。

私としては、もうちょっとこのキャラたちと
過ごしてみたい気がしているのだけど
惜しまれるうちに幕を引くのが美しいんじゃないかとも考えたりする。

もっとも、本が売れないこの時代に、メディアミックスとは言え
結構売れているシリーズらしいので、
出版社は続けたがってるんじゃないかなぁ。
あとは作者のネタが続くかどうかだね(笑)。

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永井GO展 [日々の生活と雑感]


先週の篠山紀信展に続いての展覧会巡り。

かみさんは絵が好きで、たまに美術館に付き合わされるんだが
正直、西洋絵画はよく分からない(笑)。
私にもよく分かる ”絵” と言えば、やっぱりこの手のものだよねえ。

漫画家・永井豪の「画業50年突破記念」と銘打って
開催されている展覧会。去年は大阪で開かれたらしい。
今年は東京・上野の森美術館で開催されている。

9/14~29とわずか2週間の期間限定なので
この機を逃さないようにと行って参りました。

JR上野駅の公園口を出て、2分ほど歩くともう着いてしまう。
会場前には、どーんとでかい立て看板がお出迎え。
DSC_0031a.jpg

中心部を拡大すると、永井作品の人気キャラクター大集合の図。


DSC_0031b.jpg
平日の午前中だったんだけど、けっこうな人が入ってる。
やっぱり2週間限定だからかな。
でも大混雑というほどではなく、ほどほどの混み具合、って感じ。

メインはやっぱり50代以上の男性かと思うが
40代くらいの女性もけっこういらっしゃる。
30代以下の男女も意外といましたね。

さて、展示内容は大きく6つのパートに分かれている。
展示の主体はもちろんイラストなのだけど、
連載時の原画も数多く公開されている。


第1章 鬼と悪魔の黙示録

おそらく、(内容までは知らなくても)「デビルマン」の名を
知らない日本人はほぼ皆無ではないか。
それくらい有名な、永井豪の代表作の1つだが
ここで紹介されているのは、「デビルマン」をはじめとして
「魔王ダンテ」「凄ノ王」「手天童子」などの作品群。

章題にあるように「神と悪魔」「鬼」などは、
永井作品では繰り返し使われているモチーフなのだけど
改めてまとめて見せられると、やはり迫力が半端ではない。

バイオレンスな描写もさりながら、
読者の価値観を揺るがせるような展開やオチなど、
SF的にも高度な作品群だと思う。
これが少年誌の連載で毎週読めたなんて
考えてみたたらすごい時代だったんだなあ。


第2章  ヒロイン・ヒロイックサーガ

「ハレンチ学園」の連載開始は1968年から。
当時私は10歳だったが、この作品の性描写は衝撃的だった。
当時の、マンガにおけるタブーを破ってしまったわけで、
非難囂々だったらしい。まあ、”大人たち” からは総スカンだったろう。
作品自体は社会現象的大人気になって、
映画やTVドラマまでつくられてしまった。
十兵衛役の児島美ゆきさんは当時18歳だったとか、いろいろスゴイ。
少年ジャンプが少年週刊誌トップの座に躍り出る契機ともなった作品だ。


「あばしり一家」「ドロロンえん魔くん」も懐かしいなあ。
「キューティーハニー」は、未だに新作がつくられる人気作だし。

「真夜中の戦士」は短編版と、その続きを描いた長編版(こちらは未完)が
あるらしいけど、私は短編版しか読んでない。
でも、短編版はラストの切れ味が素晴らしいSFマンガの傑作なので
こちらで十分かなと思う。

「バイオレンスジャック」は、雰囲気と内容がどうにもなじめなくて
ほとんど読んでません。ゴメンナサイ。


第3章 笑劇奇譚

「まろ」「オモライくん」ああ、こんな作品もあったよなあ・・・
ってしばし感慨に耽ってしまう。

「イヤハヤ南友」は、作中で繰り広げられる
”勉強試合” が超絶に面白かった。

「けっこう仮面」は連載時に夢中で読んだ記憶がある。
あの ”必殺技” も衝撃(笑)だったが、
毎回、何かしらのパロディになっているのも面白かった。
最後に「○○先生ごめんなさい」って台詞が入るのがお約束で
”○○先生” には元ネタになった作品の作者の名前が入る。


第4章 魔神伝説

日本のロボットアニメに革命をもたらした「マジンガーZ」と
それに続くロボットマンガの作品群を紹介してる。

これがなかったら「ガンダム」も「エヴァンゲリオン」もなかった・・・
とまでは言わないが、数年から10年くらいは遅れたかも知れない。
”人が乗って操縦する巨大ロボット” ってアイデアを
誰かが思いつくまで、かなり年数はかかっただろうから。

「グレートマジンガー」「グレンダイザー」も懐かしいね。

「ゲッターロボ」はもう変形合体なんてレベルではない超絶ぶりだった。
こんな強引な変形を企画立案してしまうのも凄いが
それを強引に見せてしまうアニメもまた凄かった。


第5章 OTHER WORKS

ここではマンガ以外の仕事を紹介してる。
例えば小説「魔界水滸伝」(栗本薫)の表紙・挿絵イラスト。
これ、小説の方は途中で読むの止めちゃいました。ゴメンナサイ

コミックエッセイや、レコードのジャケットも描いてるし
映画監督もやってるんだねえ。多才な人だ。


第6章 現在進行形

最後は、74歳の今も現役バリバリの永井氏の現在の仕事を紹介してる。
いまでも連載を2本抱えてるとか凄すぎる。


この展覧会の順路の途中には、なんと「撮影・録画可」のエリアがある。

まずは「デビルマン」の巨大イラストがお出迎え。

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その先には、なんとデビルマン ”ご本人” が座ってる(笑)。

DSC_0026a.jpg
フィギュアもあるんだけど、私はこの手のものには
あまり興味はないんだよねぇ。

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その先には、なんとスーパーロボットの揃い踏み。

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やっぱり ”ご本尊” は単独で撮りたくなる。

DSC_0029a.jpg

出口の先には物販コーナー。
さすがにものすごい数・種類のものが並んでるんだけど
嵩張るものを買っても置く場所がないので(笑)、
図録だけ購入して帰りました。

ちなみに図録の付録の小冊子は、永井豪が
石ノ森章太郎のアシスタントだった頃のエピソードを描いたマンガで
名作「真夜中の戦士」の発想を得たきっかけも描かれてる。


見終わってみて思うけど、作品数の多さ、さらに
SF、バイオレンス、ギャグ、ヒーロー/ヒロインストーリーと
ジャンルを超えて傑作を描いているのに改めて驚かされる。
そしてそれらが日本のマンガを、アニメを、革命的に進化させたことも。

そして、10歳~大学卒業くらいまでの間に、
私がそれらをたくさん読んでいたことも思い出させてくれた。

「デビルマン」「マジンガーZ」「キューティーハニー」など、
天才・永井豪の全盛期(未だ現役の作家に向かってこう書いては失礼か)
の時代を、リアルタイムで体験できたってのは
とても幸せなことだったのだなぁ・・・。

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記憶にございません! [映画]


このタイトルを見て「ロッキード事件」を思い出す人は
たぶん50歳を超えてるんだろうなぁ。

1976年、戦後最大の疑獄事件が明るみに出た。
内閣総理大臣(1972年当時)・田中角栄が
アメリカの大手航空機製造・ロッキード社から
5億円の賄賂をもらっていたというものだ

それを巡って、証人として国会に召喚された実業家・小佐野賢治が
要所要所で連発したのが「記憶にございません」という言葉だった。
これ、当時の流行語になって、お笑いバラエティ番組でも使われて、
もしこの頃に「流行語大賞」があれば、ぶっちぎりで第1位だったろう。

 もっとも、実際の発言は「記憶『は』ございません」だったらしいが。

ちなみに、76年当時に私は18歳で、三谷幸喜は15歳だったので、
この発言は彼にも十分「記憶にあった」のだろう(笑)。

閑話休題。

この映画はロッキード事件とは全く関係が無い、コメディ映画だ。
共通点は総理大臣が主役、というところくらいかな。

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内閣総理大臣・黒田啓介は、私利私欲に走る悪徳政治家の見本のような男。
あちこちの女に手を出して家庭を顧みず、
妻は浮気に走り息子はグレかけていて、家庭人としても最低最悪だ。
内閣支持率も2.3%という最低記録を更新中。

 88年に消費税3%を導入した竹下総理が、あまりの不人気で
 自らの内閣支持率も3%になってしまったというのもよく言われるが、
 実際は3.9%はあったらしい(まあ五十歩百歩だが)。(by wiki)

ところが黒田は、演説中に聴衆の一人が投げた石が頭に当たり、
それが原因で10代半ば以降の記憶をすべて失ってしまう。

病院で意識を取り戻した黒田は、自らが
”史上最低の不人気総理” という地位にあることに衝撃を受ける。

しかし政治は、国会は待ってはくれない。
黒田の3人の秘書官たちは記憶をなくしたことを外部に隠したまま
政局を乗り切ろうと画策するのだが・・・


黒田総理は中井貴一。
意外にも(失礼!)素晴らしくコメディが上手いのに驚き。
小心者で善良な小市民と化してしまう記憶喪失後の黒田を好演してる。
ミキプルーンのCMで片鱗を見せていたコメディパワーを全開だ。

総理秘書官を演じる小池栄子がまたいい。
今回、コメディも達者にこなしてるんだけど、それ以上に
ストーリー展開のキーパースンとして重要な役どころになってる。

最初は記憶をなくした黒田を必死にフォローするので精一杯なんだが
彼の中に潜んでいた ”善良なもの” に気づいてからは
積極的に支えるようになっていく。

記憶を失ったことで、すべてのしがらみから解放された今だからこそ
できることがあるのではないか・・・

彼女のこの言葉を聞いてから、黒田は変わり始める。
政治家としても家庭人としても、すべてをリセットして
自分の ”理想” とする政治を、そして人生を目指して踏み出していく。

三谷幸喜の脚本がまたよくできていて
この新生・黒田が、”謎の突破力” を発揮して(笑)、
周囲を変えていくくだりを面白おかしく見せていく。

そんな黒田の前に立ちはだかる最大の敵は、
日本の政治を実質的に牛耳っている鶴丸官房長官。
演じるは草刈正雄。「真田丸」「なつぞら」と人気作が続くが
今回も曲者ながら、なかなかお茶目な面を見せる。

それ以外にも、豪華な配役が目白押し。
秘書官のディーン・フジオカ、総理夫人の石田ゆり子、
官邸料理人の斉藤由貴、SP役の藤本隆宏。
このあたりはもう堅実というか、
しっかり脇を固めていて物語を盛り上げていく。
悪徳フリーライター役の佐藤浩市の
女装が拝めるのも三谷映画だからだろう。

アメリカ初の日系女性大統領という設定の
木村佳乃の怪演ぶり(笑)もいい。
けっこう英語が達者なので驚いたが、
wikiでみたら大学は英文科だったんだね。

野党の女性党首役の吉田羊もなかなかぶっとんだ演技を見せる。
これは笑わせてもらった。詳細は映画館で見てほしい。

警官役の田中圭は出番は少ないが印象に残る。
なかなか可愛いキャラで、「おっさんずラブ」で人気爆発したのも
このおかげかも知れないね。

投石して黒田を記憶喪失に追いやった大工を演じたのは寺島進。
もう画面に映った瞬間から観客は笑ってしまう。

あと、黒田の小学校時代の恩師役で山口崇が出てた。
最初分からなかっただけど、最後の配役紹介で分かった。
いやあ、往年の二枚目俳優だったよねえ。
「天下御免」の平賀源内とか「大岡越前」の徳川吉宗とか言っても
知ってる人はもう少ないだろうなあ・・・
御年82歳。さすがに老けたけど、いい感じに年を重ねてると思う。

深夜ニュースの女性キャスターがまたスゴイ。厚化粧バッチリで
アンミカとLiLiCoを足して2で割ったみたいなキャラ(笑)なんだけど
演じてる人を知って「どひゃあ!」。
これも映画館で見てほしいなぁ。そしてこの人には是非、
このメイクでニュース番組をやってほしいものだ。

コメディ映画なんだけど、笑わせるだけではない。
ところどころほろりとさせるし、
黒田が国会で ”演説” するクライマックス・シーンでは
涙腺が崩壊してしまったよ。いやあ、三谷幸喜は上手いなあ。

2時間7分の映画だが、値段分は十分に楽しませてもらったと思う。

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篠山紀信展 写真力 THE PEOPLE by KISHIN The Last Show [日々の生活と雑感]


私が初めて一眼レフを買ったのは20代の終わり頃だったか。
入門者向けの初級機で、もちろんアナログのフィルムカメラだった。
サラリーマンなので平日の昼は撮りに行けず、
土日はまた別の用事(趣味?)で忙しくて、結局のところ
自動車通勤の帰り道で、途中の夜景なんかを撮るのがせいぜい。
今から考えれば立派な不審者だったなあ(笑)。
いつおまわりさんから職務質問に遭ってもおかしくなかったよ。

その後、30代に入ったくらいから仕事が猛烈に忙しくなって
カメラは押し入れにしまったまま、時代はいつの間にかデジタルへ。
使うカメラもコンパクトデジカメからケータイカメラになっていき、
アナログで重くて大きい一眼レフはすっかり出番を失ってしまった。

再び一眼レフを買ったのは50歳を過ぎてから。
入門者向けの初級機(進歩してない・・・)で、もちろんデジタル。
とは言っても、なかなか「写真が趣味です」と言えるほど
数多く撮っているわけでもなかった。
定年を迎えて、もうちょっとカメラに時間を割きたいなあ・・・と
思い始めたところに、この写真展の広告が新聞に載ってた。

というわけで、行って参りました。

場所はJR水道橋駅を降りてすぐ北側、目の前にある
東京ドームシティ内の Gallery AaMo にて。

ちなみに、西側に見える高層ビルは東京ドームホテル。
20年くらい前に、ここのランチブッフェにいったことがあったなあ。
その北側には東京ドームが見える。
かみさんの母親が大の巨人ファンで、何回か観戦に来てたらしいが、
私は中に入ったことはない。

閑話休題。

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会場に入ると、レノンとヨーコがキスしてる写真が、どーんとお出迎え。
今回の写真展の ”表紙” 的作品なのでしょう。

ギャラリー内は「GOD」「STAR」「SPECTACLE」「BODY」
そして「ACCIDENTS」と5つのエリアに分かれている。


「GOD」鬼籍に入られた人々

中に入るとき、A3を二つ折りにしたサイズのパンフレットが配られる。
どの写真に誰が写ってるのかの一覧になってるのだけど
さすがに還暦を超えて生きてくると、この「GOD」エリアにある
たいていの写真なら誰が映っているのか分かる(笑)。

美空ひばり、勝新太郎、渥美清、高倉健などの大スターに混じって
きんさんぎんさん、田中角栄とか意外な顔も。

なかでも、モノクロの三島由紀夫は異様な迫力だ。
篠山紀信28歳の作品のはずで、思い入れがあるのか
他の人物が1人1枚なのに、三島だけ2枚(特大のが)展示してある。


「STAR」すべての人々に知られる有名人

ここで一番大きい写真は山口百恵。なつかしいなあこれ。
雑誌かなにかで見た記憶があるよ。アンニュイな雰囲気がいいねえ。

古今の歌手、アイドル、俳優、女優、お笑い芸人からスポーツ選手まで
バラエティに富んだ展示になってる。
私の年代からするとY.M.O.とか王貞治、
グラビア時代の宮崎美子あたりが懐かしいかな。

白無垢姿の女優さんは映画の1シーンなのかなぁ・・・
え? このひと大竹しのぶ? 全然分からなかったよ。

満島ひかりの幼い頃の美少女ぶりも半端ない。

澤穂希がまた、すごい美人に写ってる(失礼!)。
メイクと演出でここまで変わるのか、
元々もっていた美をカメラが引き出しているのか。
どちらにしても女はスゴイ。

そんな中に、ちゃっかり南沙織が混じってるのがなんとも(笑)。


「SPECTACLE」私たちを異次元に連れ出す夢の世界

いきなり豊島園プールの真夏の一枚がどーんと。
ものすごい人、人、人の群れ・・・たしかにここも異次元だ。

草間彌生さんの眼力(めじから)に畏れ入った先には
歌舞伎俳優の方々の写真が延々と・・・
残念ながら私はこっち方面にはあまり詳しくないのだけど、
好きな人にはたまらないんだろうなあ。

そんな中に後藤久美子の大作が。ものすごい横長のパノラマ写真で
しかもその中にゴクミが4カ所くらいに写ってる。
たぶん複数のカメラを組み合わせて時間差で撮ってるんだろうけど
写真同士のつなぎ目が全く分からない。
この写真を撮った当時(1988年)はデジタル合成なんか
ほとんどなかったと思うのだけど、いったいどうやったんでしょうね?


「BODY」裸の肉体-美とエロスと闘い

いきなり、裸の女体にプロジェクションマッピングしたみたいな作品で
度肝を抜かれる。これも篠山紀信28歳(1968年)だというのに驚き。

その次の巨大作品には、体中に入れ墨をした男たちが
パノラマ画面にところ狭しとずらりと並んでる。
しばし息を呑んでしまう。

もちろん、女性のヌードも多く展示されてるし、
私たちの年代ならなじみがある(笑)作品も。

中でも宮沢りえの1枚には、当時の衝撃を思い起こした。
1991年だから、もう28年も前なんだねぇ。
写真集「Santa Fe」からの1枚だ。

 ちなみにこの写真集、累計165万部を売り上げていて
 芸能人の写真集では最高記録を保持している。

人気絶頂のアイドルが脱いだわけで、今なら差し詰め
広瀬すずが脱いだ、くらいのインパクトがあっただろう。

ただ、28年経って見てみると、その健康優良児的発育ぶり(笑)に
改めて驚かされる。これで17歳なんてアンビリーバブルである。

おそらく彼女の一生を通じて、
このときの体のラインが一番美しかったのだろうし、
それを記録に留めておこうと思ったのも分かる気がする。

 まあ見る方も、いい加減枯れてきたのも大きいかも知れないが(笑)。

ちなみに、広瀬すず嬢の写真もちゃんとある。
こっちは服を着ているが(笑)。

 もし今、広瀬すずが脱いだら日本中が大騒ぎだろうなあ。
 若いお兄さんたちはもちろん、朝ドラを見ていた主婦やら、
 爺ちゃん婆ちゃんあたりはひっくり返ってしまうかも知れないなあ・・・

 すずさんもなかなかのスタイルの持ち主らしいので
 宮沢りえにも十分対抗できるんじゃないかな。
 165万部なんて軽くぶっちぎって新記録達成も夢じゃない。
 もちろん私もネットでポチって・・・

 なぁんて妄想が沸いてくるあたり、
 なんだぁ、まだ全然枯れてねえじゃんか俺(爆)。

 いやあ、りえちゃんの写真1枚から、
 こんなにあーんなことやこーんなことを考えさせるなんて・・・
 これが「篠山紀信の写真力」なのか、
 多すぎる私の煩悩がなせる技なのか(おいおい)。

・・・話を戻そう。

さて、意外な人もこのコーナーには登場する。
例えば黒柳徹子さんのセミヌードとか。
1968年だから35歳の女盛り(笑)。そのせいか肌露出度は高め。

そして、大相撲。たしかにこれもBODYには違いない。
国技館で、横綱貴乃花と曙を中心に、力士、親方、行司などの裏方衆まで
全部含めて一枚に収めたもの。もちろん力士は全員、廻し姿で写ってる。
これはこれで一見に値する。


「ACCIDENTS」2011年3月11日ー東日本大震災で被災された人々の肖像

震災あとの、がれきと化した市街地に立つ人々のポートレート写真。

聞くところによると、被写体となった人たちに対しては
「カメラのレンズだけを見てください」とだけ指示したとのことで
それ以外の ”演出” はないらしいのだが
写っているほとんどの人が、見事なまでに「無表情」なのには驚く。

後ろに写っているのは、被写体となった方の自宅の残骸かも知れない。
ひょっとしたら、そこで亡くなられた家族もいたかも知れない。

おそらく震災直後には様々な感情があっただろう。
大自然の暴威に対しての驚き、そして
家族を失い財産を失ったことに対しての怒り、嘆き、哀しみ。
未来が見えないことに絶望も感じただろう。

震災から一定の時が経ったあとと思われる、
この写真に写った人たちの脳裏には、
このときどんな感情が渦巻いていたのだろう。

見ている側にいろんなことを考えさせる写真群だ。


この写真展に展示されてる作品はすべて人物を撮ったもの。
篠山紀信がポートレート写真で名をなした人なので当然なのだけど
風景写真や静物写真は一点もない。

風景や静物を対象とすることを否定するものではないけど
人間がいちばん惹きつけられ、注目するのは
やはり人間なのだなぁということを、改めて意識させられた。

これからはもう少し、カメラをいじる時間を増やそうと
思ってるのだが、風景ばかりじゃなくて
人物を撮ることも目標にしていきたいものだ。

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引っ越し大名 [映画]


生涯に7回もの国替えをさせられ、“引っ越し大名” とあだ名された
実在の大名・松平直矩(なおのり)をモチーフにした作品とのこと。

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時は江戸時代前期。姫路藩主の松平直矩は
幕府から豊後国日田藩への国替えを命じられる。
史実では、直矩が藩主になってからこれが3度目(!)になる。

要するに兵庫から大分まで、藩主から家来、一族郎党引き連れて
引っ越しをしなければならなくなったわけだ。

それには周到な計画立案&準備が必要で、
もちろん莫大な労力と金も用意しなければならない。

しかし、そのノウハウを知っていたはずの前任の引っ越し奉行は
度重なる国替えに伴う激務で、亡くなってしまっていた(過労死?)。

当たり前だが、後任の引き受け手は現れず、
直矩は書庫番の片桐春之介を引っ越し奉行として指名する。

しかし、国替えのことなどさっぱり分からない春之介は途方に暮れ、
前任の引っ越し奉行の娘・於蘭(おらん)に助けを求めるのだが・・・


予告編を見た人は、てっきり ”爆笑喜劇” なんじゃないかと思うだろう。
(そういう風に編集してあるんだもの。)

じゃあ本編はどうなのかというと、どうにも中途半端な感じが否めない。
コメディシーンはあるのだけど、たまにクスッとなるくらいで
”爆笑” とは言いがたい。だって、どこで笑っていいか悩むんだもの。


その理由はいろいろあるのだろうけど、
私はまずキャスティングにあると思った。

主役・春之介は本の虫で。日がな一日書庫にこもって
読書に明け暮れていて、およそ人付き合いというものが苦手。
知識だけはありそうなので、引っ越し奉行が務まるだろうと
思われたのが運の尽き・・・というキャラで、まあ星野源でOKだろう。

だけど春之介(星野源)が、未だに ”童貞” だって設定は如何なものか。
未だにやらされる(やらされてる)のをみても、観客は ”引く” だけだよ。

春之介の数少ない味方となるのが親友である源右衛門。
酒好き女好きで、肉体労働なら任しとけという典型的な脳筋キャラ。
しかし武芸は一級で、槍を持たせれば天下無敵の豪傑だ。

源右衛門は映画の冒頭から登場しているのだけど、私は最初のうち
上記のようなキャラであるとはほとんど思わなかった。
それが分かったのはかなりストーリーが進んでから。
どうしてそんなに時間がかかったかというと、高橋一生が演じてたから。

 だって体育会系の脳筋マッチョなんて、彼のキャラじゃないでしょ。

たぶん、春之介と真逆のキャラにして凸凹コンビにしようと
思ったんだろうけど、二人とも典型的な ”優男” キャラなので
”凹凹コンビ” にしかならない(笑)。

この二人の絡み合いが今ひとつしっくりこないのも仕方ないと思った。

映画は2時間しかないし、とくに喜劇映画ならば分かりやすさ優先で
出てきたときにすぐキャラが分かるようにしないとダメじゃないのかなぁ。
源右衛門なら、(例えばだけど)鈴木亮平とか小澤征悦とか、
一目で豪快さが伝わる人がいいんじゃないかと思うよ。

 念のタメに書いておくと、高橋一生が悪いのではありません。
 彼にこの役を振ったことがミスなんだと思ってるので。

この二人に遅れて加わるのが、財政面での助っ人になる
中西監物(けんもつ)。演じるは濱田岳。

彼はいい。
濱田岳って、真面目な顔で出てくるだけで
そこはかとなくおかしいという、素晴らしい ”才能” がある。
もちろん演技も達者なわけで、彼が加わって3人組になった途端、
星野源も高橋一生も生き生きとしてきたように感じたよ。
もっと早く、できれば冒頭から
3人そろって出しておけばよかったのに、って思った。


さて、松平直矩は国替えにあたり15万石から7万石へと厳封となった。
要するに家来へ払える給料が半分以下になってしまったので
そのぶん人減らし(リストラ)しなければならない。
クビになった人は置き去りになって、大分へは行けないのだ。

そのリストラもまた引っ越し奉行の役割で、このあたりは結構シリアス。
サラリーマンなら人ごとでないと思う人もいるだろう

結局、2000人いる藩士のうち600人がリストラされるのだが、
春之介はクビにした藩士たちにある約束をする。
このへんがラストの感動に関わってくるので、どんな内容かは書かない。

そのラスト、すべてがうまくいき、直矩は喜びと感謝に打ち震えるのだが
そもそも今回の国替えの原因を作ったのは直矩本人にあることが
映画の冒頭で描かれているので、「もっと責任を感じてほしいなあ」って
思ってしまう人も多いのではないか(私もそうだった)。


キャストのことをたくさん書いてしまったが、出演者は豪華で
芸達者な方も多い。於蘭役の高畑充希、国家老の松重豊とか。
松平直矩役の及川光博はとぼけた味があるし。

中でも、リストラされる藩士役のピエール瀧の存在感が半端ない。
彼が出てくるとそれだけで画面が締まって見える。
なかなかこんな俳優さんはいないと思う。

 たぶん、”あの騒ぎ” 以前に撮影されていたのだろうけど
 何とか復帰できないものかなあと思ってる。


キャスト以外にも、面白い要素、面白くできる要素は
映画の中にたくさん転がっているのだけど、それらをうまくつなげて
活かし切ることができていない印象が残る。

だから「もったいないなあ」というのが私のいちばんの感想でした。

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