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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その9 [アニメーション]


第9話 ズォーダー、悪魔の選択  (4/5)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■「選ぶ」こと、「選ばせない」こと、そして「選ばない」こと

無線で問い返す雪。答えない古代。
永倉に切り替え、状況を知る。

「聞こえているんだろう、ガトランティスの王!
 俺が選ぶのは・・・」

そのとき、ガミラス艦上に現れる雪。ヘルメットをとり、風が髪をなぶる。

「選んでしまったら、あなたは自分で自分が許せなくなる。」
「古代くん、選ばせない!」艦上から身を投げ出す雪。

「選ばない! 俺は選ばない!」
絶叫しながら雪を追って急降下する100式。

選ぶ理由の中から自分を排除してしまえば
古代がどの艦を選んでも、罪悪感に苛まれることはなくなる。

しかし古代の行動はその予想を超えていて
雪一人を救うことを選んでしまう。
この時の古代は、3隻のガミラス艦の存在は
完全に意識から消え去ってしまっているのだろう。

交信を傍受していた透子。「選ばせないために・・・」
怒りに歯ぎしりをするスォーダー。「ルールの変更は許されない!」

"スイッチ" が入った蘇生体が機関室へ向かい、次々に自爆していく。
動力を失い、惑星崩壊に巻き込まれていくガミラス艦

「これが貴様の選んだ結果。
 人として選ばないという選択をした貴様のエゴが
 助けられたはずの命まで失わせるのだ。
 虚しい。実に虚しい」

落下する雪に追いつき、抱きしめる古代。

■「トロッコ問題」土方の "解"

惑星崩壊の重力中心に大質量を投入することにより
二人を助けようとする真田の提案に、土方は決断する。

シュトラバーゼはミニブラックホールみたいなものになりつつあるのか。
重力源自体を波動砲で消滅させようとしているって解釈したのだが・・・

要するに、作業員に向かって驀進するトロッコに
横からダンプカーをぶつけて線路外へ吹っ飛ばしてしまえ! でOK?

「ガトランティスの王が見物しているなら教えてやろう。
 人間がどれだけしぶとくて諦めの悪い生き物であるかを」

艦長席から波動砲を発射準備に入る土方。
トリガーの格納方法は完結編とは異なる設定ですね。

「沖田、借りるぞ」この台詞にはぐっと来る。

パネルに一瞬だけ現れる文字がわからなかったんだけど
BDを一時停止して確認したら「操舵権限移譲」でした。
たしかに、波動砲発射時は射手に操舵が任されましたよねえ。
ここからは一切台詞無し。効果音のみで進行する。

シュトラバーゼ内核コアを撃ち抜く波動砲。
落下していく100式。コクピットで雪を抱く古代。

ここでの波動砲発射発射までのタメの長さは
ヤマト史上最長ではないだろうか。

■想人

波動砲の光芒が輝いた後、青く染まった空間を漂う100式。
BGMは「想人(おもいで)」のメロディー。
「さらば」の劇中では「永遠の生命」という名で流れた曲の
2202バージョンのようですね。

目覚めた雪が頬を染めて「・・・ばか」
目の前にいる男は、避難民も何もかも放り投げて
自分を救いに来てしまったからね。

そして改めて結婚を申し込む古代。
思えば古代が雪に正式にプロポーズしたシーンは
今まで描かれたことがなかったように思う。

この時の二人は、今自分たちが置かれてる状況を
どの程度認識してたんだろう。

惑星に向かって落下していく雪、それを追った古代。
普通ならそのまま地表に激突しまうはずだが
周囲は青色の謎空間に変化していって。
シュトラバーゼが崩壊した結果の重力嵐の中?

まあ、自分たちが助かるとは思ってないだろう。
実際、まもなく重力嵐に飲み込まれて消滅する運命にあったのだが。

自分たちの "愛" が引き起こした結果を思いながら、
でもおそらく二人は後悔はしていない。
結果的には「全てを擲っても、目の前の愛を選ぶ」
という極致にまで突っ走ってしまったのだから。

このシーンが「さらば」のラストシーンを思わせるのは、
意識してやってるんだろうなぁ。

■サーベラー

ラスト近く、透子のシーンに続いて
サーベラーらしき女性が赤子を抱く姿が挿入され
大帝の「サーベラー、また繰り返すのか・・・」の独白が。

ガトランティス人にも「親子の愛」みたいに
個体間の愛情が存在した時期があったのか・・・?
それとも?

■「ヤマトより愛を込めて」

物語のこの時点で古代とズォーダーの
直接対決を描いたのは何故なのだろう。

「2202」における大帝は、"個人の愛" を徹底的に否定する。
その愛こそエゴそのものであり、宇宙を滅ぼす根源だと。
そして自らの唱える "大いなる愛" こそが
宇宙に永遠の平和と安寧をもたらすのだと。

そして今回、古代は大帝に翻弄されるままに
自らの愛に従って行動し、雪もまた自らの愛に殉じようとした。
そしてそれが事態の解決に全く寄与していなかったこと、
さらに言えば(回避されはしたが)
最悪の事態を招いてしまったことも描かれた。

「さらば宇宙戦艦ヤマト」のEDテーマ「ヤマトより愛をこめて」
の歌詞にこうある。

その人のやさしさが花にまさるなら その人の美しさが星にまさるなら
君は手をひろげて守るがいい からだを投げ出す値打ちがある
ひとりひとりが思うことは 愛する人のためだけでいい

今回の二人の行動は、この歌詞をそのままなぞっているようにも思う。
そしてその結果は、見ての通りである。

「2202」は「さらば」のリメイクではあるのだけど
同じ "愛" という言葉を掲げながら、
その描く中身はいささか異なっている。

大帝の "大いなる愛"、
古代と雪の「愛する人のためだけでいい」。

物語の後半に向けて、
異なる2つの "愛" の相剋が描かれていくのだろうか。

そして、二番の歌詞にはこうある。

いつの日か唇に歌がよみがえり いつの日か人の胸に愛がよみがえり
君は手をひろげて抱(いだ)くがいい たしかに愛した証(あか)しがある
遠い明日を思うことは 愛する人のためだけでいい

これが誰を指すのかが問題だが、なんとなく「2202」は
ガトランティスがこのような結末を迎えるラストを
目指しているのかも知れない、なんて思ったりする。

                                                            (つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その8 [アニメーション]


第9話 ズォーダー、悪魔の選択  (3/5)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■悪魔の選択

遺跡内での古代vs大帝の対決は続く。

「見せてやろう.お前の愛が何を救い何を殺すのか。
 地球の避難民を乗せたガミラスの船。
 そのすべてに屍よりつくりし蘇生体を潜り込ませた」

ここでの雪もまた大帝に見せられたビジョンなのか。
蘇生体がリアルタイムで見ているものを中継していたりするのか。

「この身体も蘇生体。
 ガトランティスの兵士と同様、自らを焔に替えることができる」

レドラウズ教授もまた蘇生体になっていることを告げ、
そして決定的なひと言が。

「一隻だけ助けてやる。その一隻をお前が選べ。
 お前が選ばねば三隻とも機関を失い、
 惑星の崩壊と運命をともにすることになる。
 お前に信じる愛にしたがって、選べ!」

爆散する教授の身体。間一髪、斉藤が助けに入る。
彼に答える間も惜しみ、100式で飛び立つ古代。
何があったのか無線で問う斉藤に告げる。

「一隻、一隻しか救えない。
 俺が選ぶ。それが奴らのルールなんだ!」

このときの古代は、大帝からの "精神攻撃" で
もう冷静な判断ができるような状態ではなくなっていたのだろう。
"選ぶ" というその一点にのみ思考が向けられてしまっている。

■「トロッコ問題」 ズォーダーver.

以下はwikiから引いてきた文章にちょっと手を加えている。

「トロッコ問題」というのは、
「ある人を助けるために他の人を犠牲にするのは許されるか?」
という倫理学の思考実験のこと。

いろいろなパターンがあるらしいのだが、典型的なのはこういうものだ。

「線路を走っていたトロッコの制御が不能になった。
 このままでは前方で作業中だった5人が
 猛スピードのトロッコに避ける間もなく轢き殺されてしまう。

 この時、たまたまA氏は線路の分岐器のすぐ側にいた。
 A氏がトロッコの進路を切り替えれば5人は確実に助かる。
 しかしその別路線でもB氏が1人で作業しており、
 5人の代わりにB氏がトロッコに轢かれて確実に死ぬ。

 A氏はトロッコを別路線に引き込むべきか?」

つまり、単純化すれば
「5人を助ける為に他の1人を殺してもよいか」
という問題である。

「1人を犠牲にして5人を助けるべき」という考えもあるだろうし
「誰かを他の目的のために利用すべきではなく、何もするべきではない」
という答えもありうるだろう。

大帝が古代に突きつけた "選択" について、
初見の時は、ただただその重さに戸惑うばかりだったが
時間が経つにつれて、この「トロッコ問題」が頭に浮かんできた。

「トロッコ問題」は、あくまで "思考実験" であり、
倫理学の "演習問題" であるから
"正解" というものはないのだという。

どちらを選んでも誰かは必ず死ぬし、誰かは助かる。
しかしその選択をする人間は、どちらを選んでも悔いが残る。

そして、ズォーダーからこの "選択" を突きつけられた古代もまた
どう選んでも救われない。
"正解" というものはないのだから。

人である限り、どの1隻を選んでも悔いが残る。
ましてや、雪の乗った1隻を選んだら、悔いと罪悪感で
「古代進」という人間は完全につぶれてしまうだろう。

■古代と雪

ヤマトに中継してもらい、避難民に語りかける古代。

「ここから先、何があろうと森一尉が地球へご一緒します」

この時点で既に古代は "選択" を終えている。
結果として、自分のエゴを優先してしまった選択だ。

そしてせつせつと雪へ語りかける。

危険な航海へ巻き込んで君を失うことが恐かったこと。
君と一緒にいると幸せで、他のことなんかどうでもよくなって
当たり前のことが当たり前にできない
今の地球に埋もれてしまいそうで恐かったこと。
だから君から離れようとしたこと。
でも君がヤマトに乗り込んでいて、ただただ嬉しかったこと。

「俺はどうしようもない、弱くて身勝手な人間だ。
 これから起こることは君には何の関係もない。
 生きていて欲しい。
 君を失うなんて耐えられない。
 どんな罪を、背負いきれない罪を背負うことになっても・・・俺は!」

これから行う "選択" についての、言い訳・・・なのだろう。
雪を救う。ただそれだけを願った選択である。
黙っていてもいいはずなのだが、それを言わずにはいられなのも
また古代という男の生真面目さなのだろう。

 ここでの絞り出すような声の小野大輔さん、大熱演だ。

私が第9話でいちばん感動を覚えたのもこのシーンだ。
愚直なまでに一途で、最後までバカ正直に行動する。
そのためなら、自分の中の恥ずべき部分をさらけ出すことも厭わない。

なんだか昭和の時代のスポ根ヒーローみたいじゃないか。
平成のこの世ではまずお目にかかれない、
いや半世紀を超える自分の人生を振り返っても
こんな不器用な奴に出会うことはなかった。

ほんとにいい奴じゃないか、古代進って男は。
だからこそ雪も惚れたんだろう。

                                                            (つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その7 [アニメーション]


第9話 ズォーダー、悪魔の選択  (2/5)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■ヤマトvs反乱軍 その2

反乱軍が率いてきた弾道弾、画面で確認できただけでも9発ある。

「この不安定な惑星でそんなものを使われたら」by真田
まあ、異常に大きく突起してる惑星ですから、
安定してるとは思えませんわなあ。

そこへ土方登場、指揮を執ることに。
「急速上昇、今からヤマトは囮になる!」
この時の安心感というか「大船に乗った感」はさすが。

■ズォーダーvs古代 その2

「戦いのために作られた人の似姿。
 我らを創造した文明は既に無い」

滅んだのか、滅ぼしたのか。
その "彼らの造物主" は彼らを蔑んだという。
"ガトランティス" というのは蔑称だったのか。
そしてそれを、自分たちの "民族(?)名" として
使い続けるのはなぜなのか。

「我らは一個体としては生殖能力を持たない。
 ゆえに愛というしがらみから自由でいられる」

ガトランティスには「男女の愛」「親子・家族の愛」というものが
そもそも存在しないということか。

 ちなみに生殖能力に関しては、小説版では
 地球に飛来した大戦艦の生き残りを調査した段階で
 新見さんが気づいている。
 もっとも、そのことは古代たちは知らずに発進してしまうのだが。

「ガトランティスこそが、この宇宙に真実の調和をもたらす。
 わが意のままに」

愛を持たないがゆえに様々な争いから無縁でいられる。
そういう存在のみがこの宇宙を平和に導けるということか。

「テレサに呼ばれしフネよ、ヤマトの戦士よ。
 いや、本当に呼ばれし者と言えるのか」

まずはジャブを一発ですか。
確証あっての船出ではなかったからね。
考えてみれば、そもそも自分たちの旅の正当性すら怪しい。
そこを突いてくる大帝。

「哀れな。感情という毒に犯され、道に迷いし者。
 愛のなんたるかも知らずに」

続けてパンチを放つ大帝。
感情のままに地球を飛び出してきたことか。
雪を受け入れずに地球へ追い返したことか。
どちらにしろ古代くんには思い当たる節がありそう。

このあたりから、大帝の言葉は容赦なく、
鉄ヤスリのようにゴリゴリと古代のメンタルを削っていく。

「愛だ。愛故に人は死に、星は壊れ、宇宙は滅びる。
 そう、お前のフネのしてきたことだ、古代進」
「なぜ俺の名を?」

地球の生き残りを賭け、ガミラスと戦ってきた。
波動砲を使って星を破壊し、旅の中で多くの敵兵の命を奪った。

本来、古代個人が責められるべきことではないはずだが
ここまで大帝の "圧迫面接"(笑) を受けていて
超 "上から目線" の物言いに囚われてしまっている古代には
(ある種、催眠状態というか洗脳状態にあるようにも見える)
すべてが自分の責任のように思えてきてしまっているのかも知れない。

そして、古代は透子の役割を知らない。

自分は相手のことを全くといって知らないのに
相手は掌を指すように自分のことを言い当てる。
しかもその相手は命のやりとりをする敵の首魁だ。これは恐怖だろう。

「お前はこれまでに多くの大事な者を失ってきた。
 だから人一倍怖れている。愛する者が死にゆくことを」

両親を失い、兄、そして沖田。一時は最愛の雪さえも。

■ヤマトvs反乱軍 その3

土方はミサイルをコントロールしているゼルグート級への攻撃を決定、
波動防壁を張って突撃態勢へ。

■古代vs大帝 その3

「お前には分かっているはずだ。
 お前たち人間にとって本当の救いとは何か」
「つらかろう。そうして失う恐怖を抱えて生きつつづけるのは」
「すがれ、われらに」

ズォーダーに全面降伏し、「愛を持たない存在」と化せば
すべての争いは収束し、失う恐怖もなくなる、ということか。
脅したり賺したりと、多彩な話術を駆使する大帝陛下。

■ヤマトvs反乱軍 その4

避難民を乗せたガミラス艦隊が発進、
それを確認したヤマトは反撃を開始する。BGMは「ヤマト渦中へ」。
ミサイル爆発の焔をくぐり抜けて現れるヤマト。

■古代vs大帝 その4

「言っているそばからこれだ。やはり人間は導かれねばならぬ。
 個人の情愛に流される前に、
 宇宙の摂理と調和できる我らの真実の愛にしたがって」

ここまで自分を誇れるというのもすごいが
実際に頭の上で戦争が起こっていれば
(古代に対して)説得力も増すということか。

■ヤマトvs反乱軍 その5

ゼルグートとガチンコ勝負のヤマト。もう得意技(笑)になりましたね。
押し返されながらも主砲を叩き込む。
ここのシーン、アンドロメダ並みに連射してるんだけど、
出力を落としてそのぶん手数を増やしているってことか?

"沖田戦法" もたいがい無茶苦茶だったが、
"土方戦法" はそれを上回るくらい "喧嘩腰" な戦いぶりなようで。

■古代vs大帝 その5

ヤマト艦内で通信を盗聴する透子。やりたい放題だねえ。
まあ、スパイなんだろうから諜報活動はお手のものか。

「じきにこの星は崩壊する」
「感じるぞ。感情という病から沸き出すエゴを。
 この無惨な繰り返しには終止符を打たねばならぬ。
 わがガトランティスがテレサの恩寵を以て」
「お前たちとテレサに何の関係があると言うんだ!」

壁画の "ぐるぐる" が白色彗星とオーバーラップして
玉座の間のズォーダーが浮かび上がる。
これは大帝が古代に "見せて" いるビジョンだろう。
ちょっと「イデオン発動編」っぽいかも。

映像として見せているのか、
それとも古代の精神に介入し、幻影として見せているのか。
私には後者のように思えるのだが。

                                                            (つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その6 [アニメーション]


第9話 ズォーダー、悪魔の選択  (1/5)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

ズォーダーを中心にまとめようと思って、大帝陛下の台詞を抜き書きしていたら
もう喋ること喋ること。しかも大帝陛下の口から開示される情報も多い。
そんなわけで、1話あたりの分量としては過去最大に。

■ヤマトvs反乱軍  その1

上昇するヤマト。両弦ミサイルそして艦首魚雷を発射、応戦する。
流れ弾が地表の避難民へ降り注ぐ。その中を進む雪。

そして反乱軍の後方に惑星間弾道弾の群れが。

■ズォーダーvs古代  その1

遺跡内では、古代の眼前に現れた大帝が長々と語り始める。

「愛故に奪い合い、殺し合う人間たちの無惨は見るに堪えない。
 我らの真実の愛に包まれてこそ、人間は新の幸福と安寧を得られる。
 我らはガトランティス。つくられし命」

ガトランティスが人工的に作られた生命体だった、
という事実が明かされるが、
あまり意外性を感じずに納得してる自分がいる・

39年前の「さらば」で描かれた白色彗星帝国に
生活感が全くといっていいほどなく、それに加えて
ラストにおける、ズォーダーの揺るぎない絶対的な自己肯定の長広舌。

観終わって映画館を出たときにはラストの衝撃ばかり残っていたが
時間が経っていろいろ考えているうちに
ズォーダーって実は人間(生き物)じゃないんじゃないか、
なぁんて思ったものだ。

大帝が実はロボットで、居室の奥がメンテナンスルームになってて
スペアのボディが並んでるんじゃないか、なんて妄想を
「ヤマト2」の序盤あたりまで抱いていたくらいだからね。

だから今回も「ああ、そうくるか」という感じで
それほどの驚きはなかったように思う。

■ガトランティスの正体

ここまでの段階で分かったことは
(1)人工的に作られた戦闘民族
(2)一個体としては生殖能力を持たない
(3)よって、個人の間に "愛" という感情は存在しない。

「人工的に産み出され、戦闘に特化して進化し、
 他の文明を破壊し続ける存在」

この設定に過去のアニメ作品「超時空要塞マクロス」を、
あるいは「無敵超人ザンボット3」を連想する人は多いだろう。
パクリじゃないかって怒る人もいるかも知れないが
このアイデア自体はマクロスやザンボットの専売特許ではない。

例えば、アメリカのSF作家フレッド・セイバーハーゲンが
1967年から発表し始めた「バーサーカー」シリーズだろう。
"バーサーカー"(Berserker)とは、
シリーズを通して登場する人類の "敵" で一種の機械生命体。

 滅び去った星間帝国が残した遺産、
 自己増殖と進化を繰り返し、生あるものをすべて滅ぼすことを
 至上命令としてプログラムされ、何度撃退されても再び襲来する、
 死そのもののような無人の殺戮機械軍団  (wikiより)

邦訳は1973年(ヤマト第1作の前年)に1冊目、
そして1980年に2冊目が刊行されている。
私はたしか1冊めは未読で、2冊目の方は読んだ記憶はあるものの、
詳しい内容はすっぽり抜けてる(おいおい)。
これ以前にも類似のアイデアはあったかも知れないが
私の記憶ではこれが一番古い。

ちなみに「ザンボット3」の放映は1977年。
「マクロス」第1作が1982年。

およそSFにしろミステリにしろ、ジャンルとして確立してから
100年くらいは経っているのだから、
めぼしいトリックやアイデアはほぼ出尽くしていると言っていい。

彗星が敵の本拠地になってる作品だってエドモンド・ハミルトンの
「キャプテン・フューチャー」シリーズ(1940~51年)にあったはず。

にもかかわらず現在でも大量の作品が産み出さているのは
既存のアイデアの組み合わせや、
ストーリー展開や物語の中での位置づけの工夫など
後発の作品群が常に新しい切り口を考え出しているからだ。

SFもミステリも、先達のアイデアを再利用している作品には事欠かない。
というか、SFの場合は有名な設定やアイデアであるほど、
多くの作品に取り入れられるようになり、
SFの普遍的なギミックと化している場合も少なくない。
ワープ航法などの空間歪曲による超光速航行なんかその典型だ。

だから、ガトランティスの正体として
このアイデアを持ってきたこと自体に問題があるとは思わない。

それよりも、
「このアイデアをもってくる必然性があるのか」
「これによってどんなストーリーが語れるのか」
ということが問われるだろう。

これは、「2202」という作品の根源に関わる部分なので
製作スタッフの中でももちろん検討されたはずだ。
当然、「マクロス」や「ザンボット」という先行作品があることも
指摘されたはずだから、それによるマイナス面だって予想されたはず。

上記のように、このアイデア自体は両作品のオリジナルではないけれど
特に「マクロス」は現在でもシリーズが継続しているからね。
そういう意味では "分が悪い" 設定であるとは言えるだろう。

しかし、おそらくそのあたりも十分承知の上で
この設定を採用しているのだろうから、
それなりの必然性、そしてこの設定でしか語れないストーリーが
あるはずだ。というかそう思いたい(笑)。

願わくば、最終章まで見た段階で思わせていただきたいものだ。
「たしかにこの設定が必要だった」って。
どちらにしろ、評価は今後の展開待ちになるだろう。

                                                            (つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その5 [アニメーション]


第8話 惑星シュトラバーゼの罠!  (2/2)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■避難民

ガミラス船への移乗に不安を訴える避難民たち。
それをなだめる雪と平田。
空間騎兵隊も一緒と聞くと安心するのをみると
十一番惑星での奮闘に感謝されているのだね。

斉藤へ何事かをお願いする雪。後で分かるが、無線機のことか。
「健気ないい女じゃねえか」第三章の雪は健気そのものだよねえ。

通路で見つめ合う二人。それぞれ別の窓から見えているところが
二人の心の距離を表しているのか。

■遺跡

マグマオーシャンのような地表に見える、
幾何学的なブロックを積み重ねたような建造物。
遺跡を目にして残念がる教授、そして彼をそそのかす透子。

なぜズォーダーは「古代との体面」にここを選んだのだろう。
アケーリアスの遺跡があってヤマトがここに来ることがわかったから?
もしヤマトがシュトラバーゼに立ち寄らなかったら
他の場所で実行するつもりだったのか?

■ガミラス艦隊

橋のような構造物上でランデブー。これも遺跡の一部?

パンフによればガミラス艦隊の指揮官はカーゼットという名前。

真田が去ったあと、なぜかキーマンに跪くガミラス士官たち。
単なる駐在武官だとは思っていなかったが、
かなりの「高貴な血筋」の方らしい。

あのかしこまり方は異常なので、
ひょっとするとイスカンダル系の人なのかとも思った。

かみさんもそう思ったみたいなんだが
ここで流れるBGMが「独裁者の孤独」のメロディなので
やっぱりガミラスの人なんじゃないかなぁ。
デスラーの甥か異母弟か、ひょっとするとクローンかも・・・
と思ってるんだけど。

それともデスラー以前にガミラスを支配していた家系なのかな。
彼の出自が判明すれば、おのずと目的もわかってくるのだろう。

ヤマトとのランデブーもすべてはキーマンの計画のうち。
そして反波動格子(光子ではない)という物騒なものを受け取る。
「ヤマトの波動エンジンを制御下に置き、破壊することもできる」
これが発動すると、ヤマトの動きは
キーマンの思いのままになってしまうのだろうか。

■ガミラス幼女

透子に気づくイリィ。彼女に抱きつく。
このとき見えたビジョンは何?

大方の予想通り彼女がガトランティス人で
サーベラーのコピー(クローン?)ならば
「個人の情」、ましてや幼い子どもへの愛情など持っていないはずだが。

失った(もしくははじめから持っていない)ようで、
実は失われていない(心の中に眠っている)ということなのか?

■別れの杯

土方と酒を酌み交わす斉藤。
「今のヤマトはふぬけだ。地球に帰って戦えるフネに乗せてもらう」
「これは俺のかけがえのない友が命を塗り込んだフネだ。
 見届けさせてくれ」
このときの土方の表情が素晴らしい。
つくづく「2199」本編と「方舟」に
出演させておいてよかったと思う。

■蘇生体がフリーダムすぎる件

指輪を見る古代。徳川・真・田島に促され、雪の見送りに。
避難民の出発に間に合ったと思いきや
レドラウズ教授が100式を奪って脱走する事件が発生。
<コウノトリ>で追う古代と透子。雪はガッカリ。

いったい格納庫の警備はどうなっていたのか?
レドラウズ教授ってそんなに腕っ節が強そうには思えないんだが。
それとも蘇生体にされてしまうと、ショッカーの改造人間みたいに(笑)
常人とは桁違いに強くなってしまうのでしょうかね。

そしてここからヤマトと遺跡内部が交互に描かれ、
「悪魔の選択」の本番が始まる。

■反ガミラス統治破壊解放軍

上空のガス帯から出現する艦隊。
しかしこの艦隊はカーゼットたちが密かに迎え入れたもの。

反乱軍から放たれるミサイル。それを迎撃するヤマト。
しかし避難民の収容中のガミラス艦は応戦できない。

本来はガミラスの内紛なのでヤマトが介入する義理も義務もないし、
介入したら後々面倒なことにもなりかねない。
しかし目の前で民間人が危機にさらされてはやむを得ない。

そこへ探索艇が帰還するも、古代はいない。
うーん、透子はどう説明したのか、というか
どんな言い逃れをしたのかね?

■ガミラス情勢

2202年時点で、ガミラス内部にはどんな勢力があるのだろう。
間違いなく存在するのは
(1)現政権:穏健派(ヒス・ディッツ・ユリーシャ・etc)
(2)破壊解放軍:現政権を打倒し植民地解放を進めようとする過激派

で、たぶん存在するであろう、というのが
(3)旧体制派:デスラーの復活を願っている勢力?

そして、
(4)キーマン派:正体不明、規模不明、ついでに目的も不明。

「2202」では、バレラスの状況も描かれると聞いているので、
この後の章に期待かな。

■遺跡内部

遺跡の最深部には謎の壁画。テレサを思わせる祈る女性が描かれて。

透子に殴られて気を失っていた古代が意識を取り戻したとき
そこにいたのはレドラウズ教授、そして謎の大演説(笑)が始まる。

「待っていたぞ」
「おまえは・・・誰だ!」
「わが名はズォーダー」玉座の間とオーバーラップして
「愛を知る者だ。
 この宇宙の誰よりも深く、愛を」

遺跡の超科学のなせる技なのか、
ガトランティスの通信技術なのか。
どちらにしろ3D映像による御体面のようです。

旧作では最終盤にあった古代と大帝の直接対決。
今回は全体の1/3しか進んでいない第8話で実現。
その意味については第9話で考えてみることにする。

■おまけ

BDに収録されている次回予告のBGMが
「新銀河誕生」なのはなぜ
? と思ったけど
第9話が「ヤマトよ永遠に」なみの超展開だったから、でOK?(爆)

                                                            (つづく)

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