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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第二章「発進篇」、本予告60秒ver. [アニメーション]

4月28日、公式サイトを開いてみたら、載っていましたよ。


以下は、簡単な内容のまとめと感想を。
・皆さんお待ちかね、海からの発進シーン。
 古代の「ヤマト、発進!」が聞ける。早く劇場の大画面で見たいなぁ。
・黒いコスモシーガル?が3機。
・古代「なんでこんなことに!?」それを知りたいのはこっちです(笑)。
・走る山崎、星名、桐生。走っているのはどこ?
・真琴、加藤のアップ。この薄幸そうな夫婦に明日はあるのか。
・「きみを巻き込みたくない」雪の手を握る古代。そしてキーマン。
・ドレッドノート級主力戦艦群の一斉砲撃。
・藤堂「沖田の子どもたちがゆく・・・」
 そして海面を離れ、太陽に向かって上昇するヤマト。
・古代の敬礼は旧作準拠に? そして艦橋部のアップ。
・バレル大使、テレザート星、テレサ、ガトランティス大艦隊、
・攻撃するデバステーター、戦場は第11番惑星?
・ガミラス人の子どもと地球人のサンタ老人を助ける斉藤と永倉。
 このあと彼らはヤマトに乗り込むんでしょうねぇ。
・キーマンの言う「反重力特異点」がコスモリバースの負の遺産?
 謎の建造物はガミラス星の建艦プラントかなあ。
 下部に主力戦艦らしきものが・・・
・アンドロメダ単艦での追撃を宣言する山南。
・コスモタイガーⅡ、砲撃するアンドロメダ。
・小惑星帯の爆発をバックに、
 地球艦隊には5隻のアンドロメダ級が勢揃い。
 主力戦艦も10隻を確認。すごいねえ。投入可能な全戦力での迎撃か。
・今度のヤマトではアステロイドリングを再現するのでしょうか。
・芹沢「ヤマトは確保(?)します。どんな結果になったとしても」
・古代「俺はヤマトでテレザートへ向かいたい」
・謎の白い機体(パイロットはキーマン?)、
 コスモタイガーⅡ、そしてコスモファルコン?
・「行ってこい、ヤマトのところへ」加藤を送り出す真琴。
 ああ、この抱擁が今生の別れになりませんように。
・タイガーⅠ、そして「時間だぞ、本当にそんなことが」と呟く山本。
 これ、第一章にも同じ台詞があったよねえ。
・迫るアンドロメダ。山南&古代「衝撃に備えー!」
・交差する2隻。青白い輝きは波動防壁の干渉か。
・最後は地球をバックに上昇するヤマト。

相変わらずわずか60秒なのに情報量が半端なく多い。
まあ、公開までの2ヶ月間、妄想に耽るネタができたと言うことですね。


今回、予告を何度か繰り返してみているうちに
自分でも意外だったんだけど、
藤堂の「沖田の子どもたちがゆく・・・」のシーンで
いつのまにか目がうるうるしてくるのを自覚した。

39年前にはこんな風に感じたことはなかったんだけどね。


やっぱり自分がトシを取ったことが大きいのかも知れない。
39年前は古代たちとほぼ同い年だった自分が、
現在では沖田の年齢を超えてしまっている。

実際の人生でも「定年」というものが目の前に迫ってきて
現場を離れる日もそう遠くない。

そして、もちろん職場には
息子や娘くらいの年回りの若手も入ってきている。
そう遠くない未来には、彼らに任せなければならない日が来る。

その時、彼らに自分は何を残せるんだろう。
そんなことを考えてしまった。

もっとも、彼らにしたら「定年間際のロートルが何を言ってるんだ」、
なぁんて思ってるかも知れないけどね(笑)

せいぜい、若手の足を引っ張らないように気をつけて
"老害" って言われないように振る舞おう。

そんなことを考えたよ。

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天帝の愛でたまう孤島 [読書・ミステリ]

天帝の愛でたまう孤島 (幻冬舎文庫)

天帝の愛でたまう孤島 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 古野 まほろ
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2014/02/06
  • メディア: 文庫

評価:★★★

勁草館高校吹奏楽部員・古野まほろを主人公とした
ミステリ・シリーズ第3弾。

前作『天帝のつかわせる御矢』で、
戦果渦巻く満州帝国から脱出したものの
乗り込んだ列車内での連続殺人事件に見舞われたまほろ君。

それを解決して、命からがら日本へ帰り着いたが、
彼に安息の日々は訪れないのであった(笑)。

勁草館高校吹奏楽部と生徒会は、合同して文化祭で演劇を行うことに。
その通し稽古のための合宿地として選ばれたのは
勁草館高校が存在する愛知県姫山市の
はるか南方海上に位置する絶海の孤島・天愛島。

まほろ以下吹奏楽部員5名、生徒会役員4名、そして顧問教師1名。
総計10名が島で唯一の建物・天愛館に入ったときから
惨劇の幕が上がる。

上演予定のミステリ劇に登場する怪人・『死神仮面』が現れ、
メンバーを次々と惨殺していく。
しかもすべての犯行現場が密室だった。

孤島もののお約束(?)どおり、本土との通信手段は破壊され、
おりしも迫りくる台風による暴風雨で交通手段も途絶。
絶対的に孤立した舞台で、彼らは生き残るためにあがき続ける。
しかし、殺人鬼は彼らの中にいるのだ・・・


このシリーズは毎回とんでもなく長いのが特徴。
本書も文庫で700ページ近い厚さを誇る(?)。

なんでこんなに長いのかというと、その理由の一つは
登場人物たちの会話が多いこと。
とにかくこいつら、よく喋るんだ(笑)。

海外文学/古典からの引用あり、有名なアニメの台詞あり、
男女の痴話喧嘩あり、とぼけたギャグあり。
実際このあたりをバサッと切れば
厚さは半分くらいになるんじゃないか。

とは言っても、この膨大な台詞のやりとりがこの作品、
ひいてはこのシリーズ独特の雰囲気を形作っているのも事実。

そして何より、この雑多な言葉の羅列の中に、
さりげなく重要な手がかりや伏線が仕込まれているのだから油断できない。
まあミステリとしては当たり前なんだろうけど。
「木を隠すなら森の中」ならぬ
「言葉を隠すなら会話の中」というわけだ。

だからミステリとして読もうとするなら、
多少の面倒くささは我慢して、この長大な文章を
読み飛ばすわけにはいかないんだよねえ・・・

密室トリックに関しては、読者が見破ることはまず不可能。
実際、明かされてみると唖然としてしまう。

作者もその辺は自覚していて、
終盤近くに挟まれる "読者への挑戦" でも
トリックについては解決条件に含まれず、
「犯人は誰か」のみが問われる。

そして "解決篇" で明かされる推理では、
たった一つの手がかりから論理を展開させて、犯人の指摘へいたる。

 このあたりは、有栖川有栖の『孤島パズル』への
 オマージュなのかも知れない。

でも、これだけならこんな700ページも要らないよなあ・・・
って思っていたら、そのあとにもう一段の大仕掛けが用意してあった。


しかし、この "真相" はどうだろう。

ミステリとしてなら "あり" だとは思う。
むしろ、意外性に溢れて秀逸な "オチ" だろう。

ただ、"物語" としてはどうか。
これは人によって評価が分かれると思うが
私はあんまり好きになれないなあ・・・


このへんを深く突っ込むとネタバレになるので
もうこれ以上触れないけど、ミステリに対して、
何よりも "魅力的な謎と驚きにあふれた解決" を求める人なら、
本書は充分に満足できると思う。


ということは、私はミステリに対して何を求めてるのかなあ。
きっと "謎解きと驚き" に加えて、"物語" としての収まりの良さ、
みたいなものを欲しがってるのだろうなあ。

でもそれって、たぶんとっても欲張りなことなんだろうなあ・・・

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英国空中学園譚 ソフロニア嬢、仮面舞踏会を密偵する [読書・ファンタジー]

ソフロニア嬢、仮面舞踏会を密偵する (英国空中学園譚)

ソフロニア嬢、仮面舞踏会を密偵する (英国空中学園譚)

  • 作者: ゲイル キャリガー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2015/04/22
  • メディア: 文庫
評価:★★★


人類と、吸血鬼や人狼などの "異界族" が共存する
19世紀のパラレルワールド英国を舞台にした
スチームパンクなファンタジー、第3弾。


お転婆の度が過ぎて、「花嫁学校」(フィニシング・スクール)へ
入れられてしまったお嬢さん、ソフロニア・テミニックが主役。
「花嫁学校」とは世を忍ぶ仮の姿、その実態は礼儀作法のみならず
あらゆる諜報技術を仕込まれるスパイ養成学校だった。
その中を開校以来というぶっちぎりの成績で突っ走るソフロニア嬢。
前回は入学から半年後が舞台だったが、今回はそのさらに1年後のお話。


充実した学生生活を送るソフロニアたちだが、
友人の一人・シドヒーグに "伝書バト" のメッセージが届く。


彼女の正式名はレディ・キングエア。
<英国パラソル奇譚>シリーズに登場するマコン卿の子孫で
キングエア人狼団に育てられた少女だった。


その人狼団に何か大事件が起こったらしい。
シドヒーグはそれが何かを探るために学園から姿を消してしまう。


一方、旧友の失踪に心を痛めるソフロニアにも知らせが届く。
彼女の長兄が婚約することになり、それを祝う仮面舞踏会が開かれる。
ソフロニアもそれに出席することになったのだ。


親友のディミティとともにテミニック家へ向かうソフロニア。
エスコート役は、公爵家の御曹司・フェリックス。
今回もまた、ことあるごとにソフロニアに言い寄ってくる(笑)。


そして始まった舞踏会のさなか、シドヒーグと二人の人狼が現れる。
人狼団の動揺を抑えるために、彼女はスコットランドへ向かうという。


そのとき屋敷中のメカが突然、一斉に異常を来して停止してしまう。
その騒ぎに紛れて屋敷を脱出したソフロニアたちだが・・・


一路北へ向かうソフロニアたちは、
メカの異常停止が広範囲で起こっていたこと、
そして騒ぎを引き起こしたのは何者かの陰謀であったことを知る。


人狼、吸血鬼、空賊、そして異界族排除を狙う "ピクルマン"。
彼女たちは様々な勢力の思惑がからみあう陰謀に巻き込まれていく。
飛行船、馬車、そして蒸気機関車まで駆って陸に空に大活躍。
良家の令嬢にして優秀なスパイでもあるソフロニアの冒険が始まる。


物語としては、次第に "ピクルマン" の存在が大きくなってきた。
終盤では、"ピクルマン" の幹部(たぶん)にして
フェリックスの父親でもあるゴルボーン公爵も顔を見せる。
その冷酷非情ぶりは、まさに真打ち登場という感じである。


ソフロニアを巡る二人の男性、ソープとフェリックスの鞘当ても
今回はいっそう激しさを増してくるが、どちらにも一長一短あって
さすがのソフロニア嬢でも簡単には決められないようだ。


・・・なあんて思っていたら、終盤ではまさかの展開が待っていて、
この三角関係は大きく変化を遂げそうだ。


ソフロニアの周囲でも、人生の岐路を迎えて学園を去る者が現れるし、
なにより彼女自身が、本書のラストにおいて
自らの将来をかけた "ある選択" をすることになる。
その決断は彼女に何をもたらすのか。


次巻、完結。

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曲がった蝶番 [読書・ミステリ]

曲がった蝶番【新訳版】 (創元推理文庫)

曲がった蝶番【新訳版】 (創元推理文庫)

  • 作者: ジョン・ディクスン・カー
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2012/12/20
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

創元推理文庫の改訳新装版シリーズ。
名探偵ギディオン・フェル博士が活躍する長編としては9作目。


ジョン・ファーンリーは英国貴族の次男坊だったが、
放蕩が過ぎて15歳の時にアメリカへと追い払われてしまった。

しかし25年後、兄の死に伴い爵位と領地を継ぐべく
ケント州マリンフォード村へ帰ってきた。

ジョンは幼なじみのモリーと結婚し、すべては順風満帆かと思われたが
その1年後、「我こそは本物のジョン・ファーンリーだ」
と名乗る人物が現れた。

その男、パトリック・ゴアは語る。
25年前の渡米の際に乗り込んだタイタニック号(!)で出会った二人は、
その場でお互いの身分を入れ替えたのだと言う。
かの船が沈没したその夜に・・・

15歳の頃のジョンをよく知るかつての家庭教師を呼び寄せ、
真偽を判別する決定的な証拠が明らかにされようとした時、
ジョンが不可解な死を遂げる。
複数の目撃者のもと、周囲に誰もいない状況で
喉を切り裂かれていたのだ・・・


創元推理文庫の新装版の表紙はちょっと不気味なんだが
これは "自動人形" だ。
からくり仕掛けで楽器を弾いたりチェスを指したりと
驚くべき "性能" を示したもので、
先代(ジョンの父)が大枚はたいて買い込み、
ファーンリー家の屋敷の屋根裏部屋に安置してあったもの。
中盤でこれが登場したあたりから、ぐっと事件の怪奇性が増してくる。
"真相" にも少なからず関わってくるアイテムだ。

あと、意味深なタイトルなんだけど、
これは物語が2/3ほど進行したあたりで出てくる言葉。
この「曲がった蝶番」が、どこの何を表してるのかは
最終章までお預けだ(笑)。

本作はカーお得意の "不可能犯罪もの"。
明かされる真相は実に大胆で驚くべきものなんだけど
実際、どれくらいバレないものなのかはちょっと疑問。

 発表当時はともかく、現代で同じネタを使ったら
 (いろんな意味で)けっこう物議を醸すような気もする。

それを補って余りあるのは、カーのストーリーテリングの巧みさ。
ジョンが本物か否か、自殺なのか他殺なのか、
二転三転するストーリーは読者を飽きさせない。

終盤近くになっても、「これで決まり」かと思わせておいて
さらにひっくり返して見せたりと、もう作者に翻弄されっぱなし。

そして最終章では、真犯人の独白が綴られるんだけど
雰囲気も文体も一転して、"物語" としての本書の面白さが堪能できる。


密室と不可能犯罪の巨匠と言われているけど、それだけに留まらない。
犯人の意外性も充分だし、なにより物語として面白い。
ガーはやっぱり大好きな作家だ。


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雨の日のきみに恋して [読書・ミステリ]

雨の日のきみに恋をして (双葉文庫)

雨の日のきみに恋をして (双葉文庫)

  • 作者: 松尾 由美
  • 出版社/メーカー: 双葉社
  • 発売日: 2016/10/13
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

主人公の沼田渉(わたる)は30歳の独身サラリーマン。
キャリアウーマンの叔母がロサンゼルスへ赴任することになり、
その間、空室となった彼女のマンションで暮らすことになる。

引っ越しが済んでひと月ほど経った、9月の末の雨が降る夜、
渉は部屋の中で女性の声を聴く。

その声は自らを小田切千波と名乗り、
3年前にこのマンションで死んで幽霊となったのだという。


千波は語る。

このマンションの3年前の持ち主はデザイナーの守山薫。
妻のある身でありながら、多くの女性と浮名を流す男だった。

千波もまた彼に憧れる一人で、
守山がマンションを出て愛人と暮らしている間、
彼に求められるままに留守番役を引き受けていた。

そんな生活を続けて3ヶ月、
千波に "あること" が起こり、彼女は自殺を決意した。

しかし決行する直前、千波は思いとどまる。
ところが、そこに現れた何者かがその状況を利用して
千波を殺害したのだという。

彼女自身は "犯人" の顔を目撃しておらず、
"真相" が分からないゆえに自らの死を納得できないまま、
現世に留まっているらしい。

千波は、渉に自分の死の真相を探ってくれるように頼むのだが・・・


渉は "幽霊" の証言をもとに、真相を探り始める。
当時の千波の上司・望月や同僚だった女性・武井、
マンションの管理人だった渡辺、
"事件" の捜査をした刑事・曽我部、
守山の助手だった倉岡・・・

渉は千波と関わった多くの人と会い、話を聞いて
真相解明に努めるものの、一向に犯人の目星はつかない。
しかしその代わりに、守山とその妻の間の
"ある事情" が明らかになってくる・・・


ミステリとしてはけっこう良くできているとは思う。
少ない "容疑者" の中で、最終的に明らかになる "犯人" には
それなりの意外性もある。

それ以外にも、手紙に秘めた "暗号" とか、
"被害者フェチ"(笑)なオタク刑事とか、
面白く読ませる要素も盛り込んである。


でも、上に書いたように本書の評価はあまり高くない。
その理由をいくつか挙げてみる。、

まず、"ヒロイン" である千波さんが今ひとつ好きになれない。
幼い時に両親が亡くなり、親戚の家に身を寄せて苦労したりとか
同情すべき点は多々あるにしろ、
ろくでもない男にばかり引っかかっている。
"事件" のことも自業自得と言ってしまっては可哀想だが
多分に彼女の "脇の甘さ" が招いたことじゃないかなぁ。
そのあたりが、彼女に対して素直に感情移入しにくいところ。

 まあ、頭の固いオジサンの言うことですから。
 若い人や女性からしたら、また違って見えるのかも知れないけど。

あと、「事実」が明らかになって行くにつれて
千波の姿が少しずつ見えてくる(それも足から上に向かってとか)
って展開は、やや品がないと思うんだがどうだろう。

見えてくるのは良いとして、
下半身しか(もちろん服を着てるが)見えない女性の身体を前にして
心穏やかでない渉くんというのもねえ・・・
面白がる人もいると思うけど、私は好きになれないなあ・・・

裏表紙の惹句には「奇跡の恋を描いたラブストーリー」ってあるけど
そもそもこの二人の関係は "恋" なのか?
読んでいてそのあたりもちょっと疑問。

 まあそれを言ったら、人間と幽霊が
 恋仲になれるのかという話になってしまうし、
 たぶん "恋" の定義も人それぞれなんだろうけど。

「ラブストーリー」と銘打つ以上は、主役カップルに対して
読者がどれだけ感情移入できるかが評価を左右すると思うんだけど
本作についてはそこが今ひとつ弱い気がしてる。


というわけで、ミステリとしては星3つ、
ラブストーリーとしては星2つ。
総合して星2つ半、ってことで。


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御手洗潔の追憶 [読書・その他]

御手洗潔の追憶 (新潮文庫nex)

御手洗潔の追憶 (新潮文庫nex)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2016/05/28
  • メディア: 文庫



評価:★★

1994年の初め、横浜を離れて北欧へと去った御手洗。
以来、早くも20有余年の月日が流れ去った。

本書では、御手洗の北欧での暮らしぶりから
残された石岡くんの様子などが綴られる。


「御手洗、その時代の幻」
 御手洗がハリウッドのホテルに滞在していると知らせを受け、
 "私"(島田荘司?) は彼にインタビューをするべく会いに行く。
 御手洗への質問は多岐にわたる。
 彼が携わっている脳細胞の研究の内容から
 犬を飼うならどんな品種が良いかまで。
 中でも「日本の教育荒廃をどう思うか」という質問では
 御手洗の口を借りて、島田荘司の "日本人論" の
 一端を垣間見ることができる。
 最後には幼い頃の父親の記憶まで語っているが、
 これが次の話につながるのだろう。

「天使の名前」
 本書は文庫で約310ページあるんだが、
 この中編は約120ページもあり、1/3を越えるボリューム。
 だけど御手洗潔本人のことではなくて、内容は彼の父親のこと。
 潔の父・御手洗直俊がまだ独身で外務省勤務の官僚だった時の話だ。
 時に昭和16年、日米の緊張が高まり開戦が秒読みかと思われた頃。
 直俊は外務大臣の側近として日米開戦回避に奔走する。
 当時の軍部の思考停止ぶりとか、列強国家の思惑とか
 開戦に至る経過は、もう既に幾多の作品で描かれてきたとおり。
 直俊の努力も虚しく、日本は太平洋戦争へと突入する。
 開戦に反対していた直俊は戦況の悪化に伴い、
 周囲から疎まれるようになっていく。
 昭和20年、神戸へ疎開していた直俊は
 思い立って福岡へ向かう列車に乗るが・・・
 "開戦秘話" としては面白いし、それなりに面白く読んだんだけど
 「御手洗潔もの」の短編集にこれが入っている意味があるのか?
 ってふと疑問を感じてしまったよ。

「石岡先生の執筆メモから。」
 『龍臥亭事件』で初登場し、その後大学生となった犬坊里美嬢が
 石岡くんの承諾を受けて、彼の執筆予定の一部を公開する、
 という趣向の短編。
 1999年に発表されたものだが、本作中で言及される "作品" のうち、
 2017年の現時点で既に書かれたものもあれば、未発表のものもある。
 将来へ向けての "予告編" というところか。

「石岡氏への手紙」
 『暗闇坂の人喰いの木』で初登場したハリウッド女優・松崎レオナから
 石岡くんへ届いた手紙を公開した、という趣向の作品。
 御手洗へ寄せる思慕の情を、レオナ自身が分析したり、
 ハリウッドの芸能界ならではの裏話とかも。

「石岡先生、ロング・ロング・インタビュー」
 文庫で約80ページと、「天使の名前」に次ぐ長さ。
 田舎から出てきて美大生となり、『異邦の騎士』事件に遭遇、
 さらに現在に至るまでのおおまかな半生も明かされる。
 いやあ石岡くんって、ホントにヘタレなんだけど
 そういうところに親近感を感じて、他人に思えないんだよなあ・・・

「シアルヴィ」
 御手洗が研究している大学のあるウプサラの街から
 約20km離れたところにある「シアルヴィ館」というカフェ。
 ここに週末になると御手洗を含めて教授たちが集まり、語らうという。
 そんなある日のシアルヴィ館の様子。

「ミタライ・カフェ」
 渡欧した御手洗の活躍を記録しているジャーナリスト、
 ハインリッヒ・フォン・レーンドルフ・シュタインオルトの手記。
 御手洗の大学生活の様子が綴られる。

「あとがきに代えて」
 "御手洗潔の「天才」性と、彼の近況について" という
 サブタイトルがつくので、これも本書の "作品" の一つなのだろう。
 ミステリにおける探偵像について、作者自らが語る。
 作者によると、御手洗は『伊根の龍神』事件(未発表)で
 一時帰国しており、さらに近い将来に再帰国して金沢へ赴くらしい。
 これには石岡くんも同行するらしく、
 実現すればなんと20年ぶりの再会だとか。
 御手洗って、この20年間一度も石岡くんに会ってなかったんだね。
 事件のたびに、電話とか電子メールで会話や情報交換はしてたけど、
 まさか会ってないとは思わなかったよ。


さて、本書の評価は冒頭にもあるとおり高くない。
だってミステリじゃないんだもの。
「あとがき」を除いて7編収録されてるけど
見事にミステリが1本もない。まあずいぶん思い切ったことだ。

御手洗潔ファンや石岡和己ファンにとっては
垂涎の書なのかも知れないけど、
私はやっぱり、御手洗と石岡くんが活躍する
ガチガチの本格ミステリが読みたいんだよなぁ・・・


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Symphony 漆黒の交響曲 ミステリー傑作選 [読書・ミステリ]

Symphony 漆黒の交響曲 ミステリー傑作選 (講談社文庫)

Symphony 漆黒の交響曲 ミステリー傑作選 (講談社文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/04/15
  • メディア: 文庫



評価:★★★

1年間に発表された短編ミステリから選ばれた作品を
2分冊で刊行しているシリーズ。

本書は2012年に発表された作品から選ばれた12篇のうち、
6篇を収録している。残りの6篇を収録した
「Esprit 機知と企みの競演」も手元にあるので近々読む予定。


「暗い越流」若竹七海
 自ら運転する自動車を暴走させて5人を死亡させ、
 23人を重軽傷に至らしめた凶悪殺人犯・磯崎。
 死刑が確定した獄中の彼に対して、
 『山本優子』と名乗る人物がファンレターを送ってきた。
 出版社で嘱託として働く "私" は、
 送り主の素性調査を請け負うことになる。
 単なる "死刑囚グルーピー" を捜すだけかと思われたが
 そこから意外な展開に巻き込まれ、意表を突くラストが待っている。
 この発端からこの結末は想像できないだろう。
 第66回日本推理作家協会賞短編部門受賞なのも頷ける。

「本と謎の日々」有栖川有栖
 <華谷堂書店>で働く女子大生アルバイト・詩織。
 彼女の周囲で起こる、本を巡る不思議な出来事の数々。
 それを鮮やかに解き明かすのは店長・浅井だった。
 有栖川有栖が書く "日常の謎" ミステリとは珍しいが
 分かってみれば「あるある」なことばかりで、すとんと腑に落ちる。

「ゆるやかな自殺」貴志祐介
 暴力団組員・野々垣は、目の上のこぶだった若頭・岡崎を
 自殺を装って殺害する。しかし、野々垣の手下である
 チンピラ・三夫が真相に気づいたらしい・・・
 厳重な密室の中にいた被害者をどうやって殺したのか。
 防犯コンサルタント・榎本が探偵役を務めるシリーズの一編。
 トリックだけ見たら、立派なバカミスなんだよなぁ・・・

「悲しみの子」七河迦南
 国際結婚した夫婦・宏とアンナは離婚することになった。
 別れに際して引き取られていく子どもを巡る物語なのだが
 ラストに至ると意外な事実が明らかになる。
 人が死ぬミステリではないのだけど、
 幼い子どもが苦しむ話は読んでいて胸が痛むなあ・・・

「青葉の盤」宮内悠介
 碁盤師(碁盤を作る職人)・吉井利仙(りせん)は、
 碁盤用の榧(かや)の木を求めて山口の山中に分け入るが、
 そこで出会ったのは伝説の碁盤師・黒澤昭雄の一人娘、逸美。
 父の後を継いで碁盤を作り続ける逸美が語る、父の事故死の様子。
 利仙はそこに秘められた真実を探り出す・・・
 SF畑の人かと思ったけどミステリも達者。
 連城三紀彦の「花葬シリーズ」っぽい雰囲気もちょっぴり。
 囲碁のルールはさっぱり分からないけど、
 碁盤を巡る蘊蓄もとても興味深く読めた。

「心を掬う」柚月裕子
 投函した郵便物が届かない、という申し出が相次ぎ、
 米崎地検の検察官・佐方は調査に乗り出す。
 やがて、中央郵便局の職員・田所が局内で
 封書から現金を抜き取っている疑いが浮上する。
 決定的な証拠をつかむため、佐方はある行動に出るが・・・
 捜査のためとはいえ「そこまでやる」とは天晴れ。
 知らぬ存ぜぬとシラを切りまくっていた田所が、
 佐方のかけた罠にはまって "落ちる" シーンは痛快だ。


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バチカン奇跡調査官 血と薔薇と十字架 [読書・ミステリ]

バチカン奇跡調査官  血と薔薇と十字架 (角川ホラー文庫)

バチカン奇跡調査官  血と薔薇と十字架 (角川ホラー文庫)

  • 作者: 藤木 稟
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/10/25
  • メディア: 文庫



評価:★★★

カソリックの総本山、バチカン市国。
世界中から寄せられてくる "奇跡" に対して
その真偽を判別する調査機関『聖徒の座』。

そこに所属する「奇跡調査官」である
天才科学者の平賀と、その相棒で
古文書の読解と暗号解読の達人・ロベルト。
この神父二人の活躍を描くシリーズの第5作。


イギリスでの "奇跡" 調査の帰路、二人を乗せた車が
ホールデングスという田舎町にさしかかったところで
行く手に謎の青白い火の玉が現れる。

車は横転し、ロベルトは負傷した平賀を抱えて脱出、
助けを求めて近くの教会へ駆け込む。

そこで彼が見たものは、柩に納められた女性の屍体が
今まさに死から甦ろうとしている瞬間だった。
彼女は一週間前、自室で首筋から血を吸われて死んでいたのを
家族に発見されていたのだ。

この事件を皮切りに、"吸血鬼" の実在が
伝説として語り継がれてきた田舎町で、
次々に "吸血鬼" の被害者が現れる。

常人を遙かに超えた身体能力を示し、
狼や蝙蝠に変身しての神出鬼没の跳梁ぶりを見せつける。

土砂崩れによって外部と隔絶されてしまった町で、
地元の名士にして、代々この町の町長を務めてきた
ルーク家に滞在することになった二人は、
先客であるルーマニアの吸血鬼研究家・タリチャアヌ教授とともに
町を覆う吸血鬼の脅威に立ち向かうことになる・・・


私は「ホラーは苦手」と常々このブログで公言してるんだけど
「角川ホラー文庫」から出ているこのシリーズを読んでいるのは
一見して "奇跡" に思われるような "奇っ怪なこと" が
平賀とロベルトによって科学的・合理的に解き明かされていくのが
とても興味深くて面白いと感じられるから。

 いわば現代版「怪奇大作戦」みたいなものだと思ってる。
 (いつもながら例えが古いねぇ。若い人はきっと知らないよ・・・)

そして今回のテーマは "吸血鬼"。
たぶんホラーの世界では横綱級のキャラクターが
本作では堂々の主役を張る。

 舞台となるホールデングスの町には、
 『吸血鬼ドラキュラ』の作者ブラム・ストーカーも
 かつて訪れたことがある、って設定まで用意されていて
 "創業家"(笑)へのリスペクトも怠りない。

出てくる怪奇現象も枚挙にいとまがない。
屍者の甦りを始めとして、平賀とロベルトの前に展開するのは
およそ常人には不可能な事象の数々。

これらの "奇跡" の数々に合理的な説明を与えるのは
無理じゃないかなあ・・・って読んでる時は正直思ったけど
ラストまで来てみると、意外なまでに解き明かされていてびっくり。

「いくらなんでもこれは無理だろう」と思われる現象にまで
きっちりと説明が割かれているのは流石だ。

もっとも、かなりのこじつけや強引さを感じる部分も
ないわけではないが、総じてみれば良くできていると思う。

最終ページまで読み終えた時、99%までは解き明かされても
残り1%に、人知の及ばぬ "超常の領域" を残すあたりも上手だ。


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究極のドグマ 穗瑞沙羅華の課外活動 [読書・SF]

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

究極のドグマ―穂瑞沙羅華の課外活動 (ハルキ文庫)

  • 作者: 機本 伸司
  • 出版社/メーカー: 角川春樹事務所
  • 発売日: 2011/10/15
  • メディア: 文庫



評価:★★★

人工授精によって(つまり "天才" の遺伝子を用いて)
誕生した少女・穂瑞沙羅華(ほみず・さらか)。

幼少期には量子コンピュータの理論を発表、
9歳にして粒子加速器の基礎理論を発表と天才ぶりを遺憾なく発揮し、
16歳にして飛び級を重ねて大学4回生となった。

自分自身が提示した理論を基にして設計された
巨大粒子加速器<むげん>を駆って
「宇宙を作ることはできるのか?」
という命題に挑むことになる沙羅華。

一浪してこれも4回生の綿貫基一くんは担当教授に命じられ、
沙羅華と行動を共にすることになる・・・といえば聞こえは良いが、
実際にはエキセントリック極まる沙羅華さんの
"お守り役" を押しつけられただけ、
というところから始まるのがシリーズ第1作「神様のパズル」。

そのラストで、思うところあって大学を中退し、
普通の女の子として高校生活を送ることを決めた沙羅華。
綿貫くんのほうは、沙羅華の理論を基に開発された
量子コンピュータを駆使して事業の展開を図る企業、
ネオ・ピグマリオン社の社員となる。

ネオ・ピグマリオンは、量子コンピュータの性能向上のために
沙羅華をオブザーバーとして迎えたが、
高校生活に忙しくさっぱりやる気を見せない彼女を引っ張り出すのが
綿貫くんの業務ということになった。
やってることは学生時代を変わらないわけだね。


天才美少女・沙羅華さんの大活躍、というよりは
凡人代表みたいな青年・綿貫くんが彼女に振り回される
"苦労話" が綴られた(笑)シリーズ第3作が本書。


ネオ・ピグマリオンは、持ち込まれた事件や調査を
量子コンピュータを用いて解決することを業務とする。

綿貫くんは沙羅華に協力を依頼しようとするが、
数々の事案の中から彼女が選んだ事件は、一匹の猫探し。
しかし謝礼は1000万円という破格なものだった。

量子コンピュータを駆使して "猫" の居場所を特定して
捕獲を試みるも、なかなか姿を現さない。

調査を進めるうちに、この猫にはある "秘密" が隠されていること、
事件の背後には世界的なバイオ企業・ゼウレト社が
絡んでいることが判明する・・・


綿貫くんは凡人だけど、23歳の健康な青年でもある。
男としての人並みの "欲望" だって持っていて(笑)
17歳の美少女と行動を共にしていて心穏やかなはずがない。
実際、ことあるごとに沙羅華と "深い仲" になろうとするのだが
ことごとく撃退されて "泣き" を見る。

この天才少女はとにかく性格が悪い。
何事に付けても高飛車で傍若無人、おまけに毒舌。

綿貫くんからすれば、沙羅華との仲は
「友人以上恋人未満」だと思いたいのだろうけど
本文中の描写を見る限り、彼女の綿貫くんに対する態度は
「下僕以上助手未満」だよなあ・・・


いやあ綿貫くん、こんな性悪女なんかさっさと放り出して、
気立ての良い普通の女性を捜した方が絶対幸せになれるよ、
って思うんだけど
時たま(ほんの時たま)見せる年齢相応の幼さや、
天才ゆえの悩みや苦しみを見てしまうから、
離れられないんだろうねぇ・・・

沙羅華自身も、意識の底では
綿貫くんを頼っているような気がしないでもない(笑)。
まさに究極のツンデレなのかも。

沙羅華さんは、知能と身体と心の発育が
極端にアンバランスなのだろうけど
その "教育係" になってしまった綿貫くんは災難だね。

彼女が(綿貫くんが相手かどうかは別にして)
普通に恋愛をするには、もう少し精神的な成長を待つ必要があるかな。

もっとも、彼女がそこまで成長してしまったら、
そこでこのシリーズは終わるのかも知れないが。


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