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ヤマト2199 映画情報 [アニメーション]

新年度に入り、なんだかやたら忙しくなって
家に帰るとバタンキュー、で寝てしまう毎日。
別にエラくなったわけでもないのに仕事だけは増えてる。
まあ、「仕事がある」ということは「ありがたいこと」なんだけどね。

でも、そのおかげで読書量が激減。
今週なんか、まだ1ページも読んでないヨ・・・とほほ。


というわけで(どんなわけだ)、
しばらくぶりに2199の公式サイトを覗いてみたら、
なんと映画の情報が挙がっているではないか!

特別総集編『宇宙戦艦ヤマト2199 追憶の航海』が、
10月11日(土)より全国順次イベント上映開始!

そして、完全新作劇場映画『宇宙戦艦ヤマト2199 星巡る方舟』が
12月6日(土)より全国ロードショー!


他のサイトもいろいろ見てみると、今年は「ヤマト40周年」だと。
そういえばそうだよねぇ。第1作が1974年だし。

  あれから40年か。何もかもみな懐かしい・・・

まさか40年後にこういう形でまたヤマトに逢えるとは
2年前までは全く想像もできなかったよね~。
長生きはするもんだ、うん。


しかし、内容についてはあいかわらずほとんど分からない。

いろいろ憶測が飛び交う中で、私は最近、なんとなく
「完全新作」というのは「完全・新作画」という意味で、
マクロス第1作TVシリーズに対する
「愛・おぼえていますか」みたいな作品
になるんじゃないかって思ってた。


でも、「再編集版」+「新作」という組み合わせになることが
公表されたので、このパターンはなくなっただろうと思う。


だとしたら、
「追憶の航海」は第1章~第6章までの再編集で
「星巡る方舟」は第7章の新作画リメイク、
なんてパターンもあり得るかも。
「伝説巨神イデオン」の「接触編」「発動編」みたいだけど。


  どうも、例として引っ張り出してくるものが
  ことごとく古い作品なのがもう・・・歳が分かってしまうよねぇ。


まあ、新しい情報が出てくるまで
「あーでもない」「こーでもない」って妄想をすることにしよう。


また今年もヤマトで楽しめる。これはとても幸せなことだ。


スマホのスケジュール帳を開いて確認してみる。
よし! 12月6日は空いてる!
だけど、
ああ! 10月11日は仕事が入ってるじゃないか!

というわけで(どんなわけだ)、今からもう、
なんとかスケジュールを空けようと画策を始めている私がいる。


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八月の魔法使い [読書・ミステリ]

八月の魔法使い (光文社文庫)

八月の魔法使い (光文社文庫)

  • 作者: 石持 浅海
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/07/12
  • メディア: 文庫



評価:★★★★

石持浅海と言えば、 "特殊な" 状況下でのミステリ。
私の中の位置づけである。

"特殊" といってもその種類は様々で、
「BG、あるいは死せるカイニス」のようなSFミステリや、
「ガーディアン」のようなSF的な設定を取り入れたミステリが
まず思い浮かぶだろう。

これらの作品では、作品内独自の約束事、というか "規則" があって、
その "規則" に沿って謎は解かれるし、事件は解決される。
本書も、これと同じカテゴリの "特殊な状況下ミステリ" に入る。

しかしながら、本書にはSF的要素は全くない。
ごく普通の、現代日本の会社組織が舞台である。
ではなぜこれが特殊なのかというと、本書にも独自の約束事があるから。
それは "会社の常識" というやつだ。

「一般社会では○○でも、会社では△△でなければならない」
という事象に、サラリーマンなら一度は出会ったことがあるだろう。

  会社に限らず、組織というものは多かれ少なかれ
  その組織独自のルールで動いているところがあるものだ。
  人間、生きていれば必ず何らかの組織に属しているはずで
  誰でも "一般常識が通用しない組織のルール" に
  触れたことはあるんじゃなかろうか。

本書は "会社の常識" という "特殊な条件下" で起こった
ミステリを描いているのだ。

前置きが長くなってしまった。本題に入ろう。


2008年8月15日。
その日、洗剤メーカー・オニセンの本社は閑散としていた。
多くの社員がお盆休みを取っていたからだ。
この物語は、この日の午後、わずか数時間の出来事である。

主人公・小林拓真は経営管理部の企画課主任。
拓真は書類の決済印をもらうために総務部の中林部長のもとへ赴く。
しかし、そこで彼が目にしたのは、
中林へ「工場事故報告書」を提示している総務部の松本係長の姿。
その「報告書」を目にした中林は顔色を変えて固まってしまう。

松本は、今でこそ毎日定時の退社をする "万年係長" だが、
かつては "カミソリ" の異名を持ち、経営管理部企画課長として
上層部の信頼も厚く、会社の経営計画策定に辣腕を振るっていた。
しかしある日突然、家庭の事情で自ら降格を申し出て係長となり、
この日は定年まであとわずかと迫っていた。

その同時刻。拓真の恋人で企画部の金井深雪は、
上司の大木課長とともに会社の役員会議の場にいた。
大木が新商品販売促進企画の報告をしているさなか、
彼の用意したプレゼン資料に混じって「工場事故報告書」が提示され、
しかもその "事故" は報告が挙がっていないことがわかる。

そしてその「報告書」は、松本が中林に提示したものと同じものだった。

"存在しない" はずの「報告書」を巡り、役員会議は一気に紛糾、
役員同士が熾烈な激論を交わし始める。

松本と大木、二人の社員が同時に放り込んだ "爆弾" 。その真意は何か。
"存在しない" はずの「報告書」が "存在" するのはなぜか。
そして、その「報告書」には、何が書かれているのか。
そして、なぜ「報告」されなかったのか。

謎を解く鍵は「会社」。
"会社の中" という "特殊な状況下" で、
"会社の常識" という "特殊な条件" のもとに、
謎は発生し、そして解かれる。

殺人も密室もアリバイ崩しも無いけれど、
とびきり魅力的な "謎" がある。
文庫で350ページほどの本だが、ページを繰る手が止まらない。
私は3時間ほどで一気に読んでしまった。

物語は、会議室と総務部の2カ所で同時進行する。
役員たちの会議のシーンと、松本vs拓真の会話で、
物語のほぼ9割を占めると言っていいだろう。
しかし全体的に緊張感にあふれ、単調さや平板さは欠片もない。

 こんなに会議のシーンを面白く書ける作家はそういないんじゃないか。
 「銀河英雄伝説」(田中芳樹)の会議シーンもべらぼうに面白かったが。

たまたま、松本と中林が対峙する場に居合わせてしまったことから
巻き込まれる形となってしまった拓真が、"探偵役" となる。
「報告書」 の真実を探り出すために、"カミソリ" 松本と対決する拓真。
上司の杉戸課長や同僚たちのバックアップを受けながら
松本と丁々発止を繰り広げる拓真は、
次第に松本から "認められて" いく。
そんな拓真の "成長" も読みどころである。

読後感は爽快の一語。
拓真の運命も、この事件によって大きく変転していくが、
拓真自身にも、会社自体にも、
未来に大きな希望を抱かせるラストになっている。

タイトルの「八月の魔法使い」とは、松本係長を指す。
彼がどんな魔法を拓真に、そして会社にかけたのか。
サラリーマンなら、いやサラリーマンでなくても、
一読して損はない本だと思う。


最後におまけを一言。
拓真の直接の上司である杉戸課長がいい味を出してるなあ。
松本と "戦う" 拓真の、いいコーチ役になってる。


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混沌ホテル ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス [読書・SF]

混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)

混沌【カオス】ホテル (ザ・ベスト・オブ・コニー・ウィリス)

  • 作者: コニー・ウィリス
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: 文庫



評価:★★★☆

以前、このブログでも記事に書いたタイムトラベルSFの大長編、
「ブラックアウト」&「オール・クリア」で
ヒューゴー賞/ネビュラ賞/ローカス賞という
2011年のSF系文学賞の三冠を制覇した、
アメリカSF界の女王コニー・ウィリス。

本書はその女王様の短編集なんだが、
なんとこの本に収録されてるのは、
すべてヒューゴー賞かネビュラ賞、
あるいはその両方を受賞した作品ばかり。
なんともスゴイ短編集なのである。

ところがこの本、ページ数が多くて一冊にするには分厚すぎ、
日本版では二冊に分けられた。本書は二分冊のうちの "その1" 。
分割しても一冊あたり400ページくらいあるんだから、何とも。
つくづくアメリカ人というのは分厚い本が好きなんだねえ・・・

ちなみに
ヒューゴー賞は、SFファンによる投票で選ばれ。
ネビュラ賞は作家・編集者・批評家などの投票によって選ばれる。
ローカス賞も事前に候補に挙げられた作品に対する一般投票で選出。
選考方法は違うが、どれもその年のベストSF作品に与えられる賞だ。

コニー・ウィリスは、現在のところ長中短編合わせて
ヒューゴー賞11回、ネビュラ賞7回、ローカス賞11回受賞という
途方もない記録をもつ作家さんなんだ。


とは言っても、有名な賞をもらった作品が
必ずしも私の好みに合うという保証はない。
いままでも、「ナントカ大賞受賞!」って
うたい文句に惹かれて読んでみたものの
どこが面白いのかさっぱり分からなかった作品もいっぱいあった・・・
本書はどうだったのか?


能書きばかり書いてないで内容に入ろう。

「混沌(カオス)ホテル」
ハリウッドで行われた国際量子物理学会の大会で
なぜか不思議な出来事が続発する。
素粒子レベルで起こる量子論的現象が
なぜかマクロな日常の中で起こったら・・・という " if " の世界。
私は、量子力学はチンプンカンプンなんだが
それでもそれなりに楽しく読めたので、
学生時代に物理に苦しめられた人でも大丈夫なんじゃないかな。

「女王様でも」
私は男なので、女性にやってくる "毎月の使者" の
苦痛やら面倒やらは想像するしか無いんだけど、
これは科学が進歩して、ある "医学的処置" によって
女性がその "悩み" から解放された時代の物語。
主人公の娘が自ら進んでその "処置" を拒否し、
「昔の女性のように "月のもの" を受け入れる」と言いだし、
その賛否を巡って周囲の女性陣が大騒ぎを始める。
SF作品は数多くあるけど、 "これ" について真正面から描いた作品って
振り返ってみても、過去には無かったように思う。
そういう意味では画期的なんだけど、
でも男の悲しさ、やっぱ今ひとつ共感しにくいところがある。
女性の感想はまた違うんだろうけど・・・

「インサイダー疑惑」
主人公の二人、ロブとキルディは、ニセ科学や怪しげなオカルト団体を
批判する雑誌を発行する会社の社員。
ある日、二人は高名な霊媒師のイベントを観に行くが、
その霊媒師が突如、本当に "霊" にとりつかれてしまう。
しかしとりついたのは、よりによって
生前は科学的な合理精神の権化として名をはせた人物だった・・・
という何とも皮肉というか人を食ったというかトボけたというか
とにかくユニークな設定で物語が進行していく。
元ハリウッド女優だったというキルディがとても魅力的で、
惚れた弱みで、彼女に振り回されるロブ君もカワイイ。
アメリカでは、学校で進化論を教えられない州もあると聞くけど
その辺の事情も読んでるとちょっと分かってくる。
さすがにトンデモさんの本場だけのことはあるね。
この本では二番目に好きな話。

「魂はみずからの社会を選ぶ」
これはよく分からなかった。
アメリカでは屈指の詩人であるエミリー・ディキンスンについての
「論文」という形式を取った作品。
彼女の詩にはH・G・ウェルズの「宇宙戦争」、
つまり "火星人襲来" が描かれているという
途方も無いホラ話を堂々と綴っている。
設定的にはものすごく面白そうなんだが、
実際に読んでみるとなんだかピンとこなくて・・・
スミマセン。やっぱ私のアタマが悪いのかなぁ。

「まれびとこぞりて」
ユーモアあふれるファースト・コンタクトSFで、
この本で一番面白かった作品。
ある日、宇宙から円盤に乗ってやってきた "アルタイル人" 。
しかし、外に出てきた6人のアルタイル人は、
何もせず何も言わず、ただぼーっと突っ立っているだけ。
不機嫌そうな表情を浮かべて地球人を睨みながら。
ヒロインのメグは、異星人とのコミュニケーションを図るための
"委員会" メンバーの一員だったが、その糸口は杳としてつかめない。
しかしある日、アルタイル人をショッピングモールに連れて行ったところ
突然彼らが床に座りこむという変化を見せる。
メグは、ここで知り合った聖歌隊指揮者のカルヴィンと一緒に
異星人との意思疎通の方法を探り始める・・・
この作品では教会で歌われる "聖歌" が物語のキーとなっているんだが
残念ながら私はクリスチャンではないので "聖歌" というものにとんと疎い。
でもまあ作品を楽しむのにさほど支障は無いと思う。
(もちろん、詳しい方がより楽しめるんだろうけど)
アルタイル人の行動の意味も気になるが、
メグとカルヴィンのラブコメとしても楽しく読める。
いやあ、コニー・ウィリスは本当に上手だねえ。


本書はユーモア系の話ばかり5編を収録していて、
二分冊のもう片方にはシリアス系の作品が集められているという。
"その2" である「空襲警報」も近々読む予定。


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不思議の扉 午後の教室 [読書・SF]

いやー、新年度のはじめはやっぱり忙しいなあ・・・
って思いながら仕事に没頭していてブログを放置していたら
あっという間に10日も経ってしまった・・・

やっぱりマメに更新するくせをつけないといけませんねぇ。

忙しい中でも、ちまちまと本は読んでいたので
(流石にペースはがた落ちなんだけど)
ぼちぼちアップしましょう。


 


不思議の扉  午後の教室 (角川文庫)

不思議の扉  午後の教室 (角川文庫)

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/08/25
  • メディア: 文庫



不思議の扉 午後の教室

評価:★★☆

角川文庫の不思議小説アンソロジー・シリーズ第4弾。

必ずしも教室が舞台でないものもあるけど、とりあえず
"学校" がテーマということらしい。

「インコ先生」(湊かなえ)
 この人、「告白」しか読んでない。
 保健室にいて、いつも "インコ" を肩に乗せている
 "私" のもとへ生徒が相談にやってきて・・・
 ミステリーのようでもありホラーのようでもあり。

「三時間目のまどか」(古橋秀之)
 この本の中で一番好きかなあ。
 ある日、教室の窓硝子に映った見知らぬ女の子。
 主人公はなんとか彼女とコミュニケーションを図るが・・・
 これも「時間を超えた恋」かなあ。
 ラストは何となく見当がつくけど、
 ほのぼの感があふれる、この結末は嫌いじゃない。

「迷走恋の裏路地」(森見登美彦)
 「夜は短し歩けよ乙女」の番外編。
 主人公の涙ぐましい努力には感心するが呆れもする。
 やっぱり本編を読んだ人向けの話かなあ。

「S理論」(有川浩)
 ちょっと星新一を彷彿させる
 ショートショート(というにはちょい長いか)。
 でもやっぱ有川浩はラブコメを読みたいなあ。

「お召し」(小松左京)
 ある日突然、12歳以上の人間が世界から消えてしまう。
 残された子供たちが力を合わせて生きていこうとするが・・・
 初読はずーっと昔。たぶん大学生の頃、短編集で読んだなあ。
 小松左京か・・・何もかもみな懐かしい・・・

「テロルの創世」(平山夢明)
 自分たちがいる日常の裏には巨大な秘密があり、
 自分たちはそのために生み出された存在だった・・・
 冒険系SFでよく用いられるパターンではある。
 主人公がその世界を飛び出していくのもお約束。

「ポップ・アート」(ジョー・ヒル)
 作者は "あの" スティーヴン・キングの息子らしい。
 とは言っても、親父さんの本は一冊も読んでない。
 だってホラー系が嫌いなんだもん。
 でも映像化された作品は一つくらいは見てるような気もする。
 息子の書いた小説は、ちょっと変わってる。
 プールで使う浮き輪みたいな、ビニール製の風船人間が
 普通に存在する世界で、その風船くんと親友になった少年の話。
 映像でアタマに思い浮かべてみると何だか間が抜けているんだけど
 読んでいるうちに不思議な切なさを感じてくる。

「保吉の手帳から」(芥川龍之介)
 海軍機関学校の教員をしている保吉を主役にした
 ショート・ストーリーが5編。
 どうも編者は、毎回この手の作品を一作入れないと
 気が済まないみたいだが、本書の中では浮いてるなあ。
 なぜこの作品を入れなければならないのか、理由がわからない。
 まあ "アンソロジー" っていうもの自体が、
 編者の趣味の産物なんだろうけどね。


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聖刻群龍伝 龍虎の刻5 [読書・ファンタジー]

聖刻群龍伝 - 龍虎の刻5 (C・NOVELSファンタジア)

聖刻群龍伝 - 龍虎の刻5 (C・NOVELSファンタジア)

  • 作者: 千葉 暁
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/03/24
  • メディア: 新書



3ヶ月連続刊行の第3弾にして「龍虎の刻」完結編。

自ら軍を率いて、<蛮人王>ガイザス討伐にのりだすデュマシオン。
思い返せば、この長大な物語の序盤における
最大にして最強の仇敵として登場したガイザス。
二人の長きにわたる因縁についに終止符が打たれる。

本書の前半はデュマシオンの長男・アーカディアと
次男・イーヴルについて多くページが割かれている。

父の親征に従軍することになったイーヴルは、これが初陣となる。
この子はわかりやすいね。
裏表のない性格で何事にも前向きに取り組むし、
優れた戦士になれる素質も十分で、
将来は頼もしい武人に成長するであろうことが容易に想像できる。

そして、親征軍の見送りにすら出てこなかった長兄・アーカディア。
この子はムズカシイ。
基本的に権力に対する欲がなく、自由に生きることを欲している。
知謀と行動力は抜群で、妙なところでハングリー精神を発揮する。
とにかく、ほっといても一人で生きていけそうなほど生存能力が高い。
それだけではなく、彼の中には何か "別の者の意思" が
潜んでいそうな描写まであって、本質をつかむことが容易ではない。
まあ、このへんが最終章で明らかになるんだろうね。


連邦首都から戦地へ到着するまでにも小競り合い程度の前哨戦があり、
後半ではいよいよ<蛮人王>軍との決戦である。

とは言っても、大陸西方域の大半を手中にしたデュマシオンと、
辺境の反乱軍残党との戦いなのだから、勝敗は最初から見えている。
しかし、デュマシオンは一切手抜きをせずに盤石の構えで戦いに挑むし、
ガイザスもまた最後の奮戦ぶりを見せる。

このあたりの描写は迫力十分で、「群龍伝」本来の魅力は
やっぱりこういう大軍勢の戦闘シーンにあるんだよなあ・・・

一方、操兵同士の激突の陰では、
アーシェラやヘルガ、サルディスといった練法師たちの暗闘もあって
この作品が "ファンタジー" であることを思い出させてくれる。

 ちなみに "練法師" とは、この作品世界での呼称で
 一般的なファンタジーにおける "魔道師" のことだ。

とくに皇帝レクミラーの軍師という "表の顔" をもつサルディスが
腹の中にいろいろと陰謀を秘めていそうで、このへんも楽しみである。


あと、読んでいて感じたのは時間の経過だ。

物語の開始時点から作中時間で20年近くが経ち、
それに伴って、登場人物にも時の経過が現れている。

例えば、浮浪少年だったルチャは連邦屈指の騎士へと成長し、
青年だったデュマシオンたちメインキャラもみな壮年になり、
それぞれの人生の選択をしてきた。
家庭を持って子をなした者もいる。

そして壮年だった者たちはそろそろ初老にさしかかってきている。
「オレもヤキが回ったもんだ」とか
「歳は取りたくないもんだ」とかいう言葉が
彼ら/彼女らの台詞の端々に現れるのを読んでると、
なんだか人ごとに思えないんだよねぇ。

  第1巻刊行時に30代だった私も、今は50代だし。
  まあこのへんは作者も一緒だけどね。

そして、アーカディア、イーヴル、スクナー、ルイス、
そしてクロムリーと、新世代の成長と台頭も著しい。


長らくデュマシオンを苦しめた<蛮人王>も無事に(?)退場し、
皇帝レクミラーも病が癒えたようで玉座に復帰した。
ディマシオンの妃・サクヤーの周辺もなんだかきな臭くなってきたし、
これでいよいよ、最終章「龍晴の刻」への舞台が
整ったということなのだろう。

「龍晴の刻」全3巻は、6月・8月・10月刊行予定だが、
10月まで待って、3冊揃ったら一気読みする予定。


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聖刻群龍伝 龍虎の刻4 [読書・ファンタジー]

聖刻群龍伝 - 龍虎の刻4 (C・NOVELSファンタジア)

聖刻群龍伝 - 龍虎の刻4 (C・NOVELSファンタジア)

  • 作者: 千葉 暁
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/02/24
  • メディア: 新書



5年ぶりに復活したシリーズ、3ヶ月連続刊行の第2弾。
18年前に始まった第1巻から数えると、通巻でなんと23巻目になる。

発表されている刊行予定では、本書を入れずにあと4巻で完結なので
全27巻という大長編大河ファンタジーになるはずだ。


政略結婚により、敵国エリダーヌの皇太子クロムリーのもとへ
わずか10歳にして嫁いできたスクナー。
彼女の味方は侍女のロミナと従騎士ルイスのみ。

帝国騎士フォルクスの挑戦を退け、
エリダーヌ軍の中に地歩を築き始めたルイス。
そして宮廷婦人たちの有形無形の嫌がらせに
真っ向から立ち向かい、乗り越えてきたスクナー。

宮廷内の風向きが少しずつ変わってきたところに
デュマシオンが派遣した軍勢が<蛮人王>に敗北した知らせが届く。

皇太子妃排斥派が一気に勢いづくも、 "龍の娘" が挫けるはずもない。
華やかな装いで舞踏会に現れ、クロムリー相手に華麗な舞を見せる。
さらには10代の若い宮廷女性を集めた "サロン" を催し、
スクナーを支持する勢力を糾合していく。

しかしそんな中、前皇太子妃の侍女が毒殺されるという事件が起こり、
皇太子クロムリーに嫌疑がかかる・・・


前巻に引き続き、スクナー嬢の "高性能" ぶりが遺憾なく発揮される。
それもこれも、彼女が持つ "龍の因子" によるものなのか。

宮廷の女性たちが彼女の "魅力" にハマってしまうのを皮切りに
クロムリーもまたスクナーを皇太子妃として認め始めてるようだ。
さらには、病を得て『奥の院』に引っ込んでたはずの
皇帝レクミラーまでがスクナーに一目置き始めるんだから・・・

本書のクライマックスは、クロムリーにかけられた
"叛乱罪" の容疑に対して開かれた査問会だろう。
ここで、スクナーがクロムリーに対して投げかける言葉が、
カッコ良すぎてもう・・・

政略結婚で嫁いできたわずか10歳の少女ながら
確実に宮廷内の雰囲気を変えつつある。
エリダーヌの旧弊な国家のありようへ、小さいながらも
確実に "風穴" を開けてみせた。
将来的な国家体制変革への "核" になりそうな勢いである。

結果としてだが、ある意味このお嬢さんは
デュマシオンにとってエリダーヌ攻略の
最強の "最終兵器" だったのかも知れない。

  「あとがき」によると、スクナーを書いていると
  話がどんどん膨らんできて、いくつかエピソードを省略しないと
  一巻に収まらなかったとのこと。
  毒殺事件絡みのルイスの活躍とかが、
  やけにあっさり描かれているのでおそらくその辺だろう。
  いつになるか分からないけど、
  外伝とかで読ませてもらいたいものだ。

堂々と主役を張っているスクナー嬢だが、
やはり、本書の中で戦闘シーンが皆無というのは異例である。
本来なら「群龍伝」は戦記物であるはずで、
やはり戦闘シーンが読みたいと思ってしまう。

次巻「龍虎の刻5」では、
いよいよ<蛮人王>との決着が描かれるはずで、
激しい戦いが繰り広げられるものと期待してる。


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聖女の塔 建築探偵桜井京介の事件簿 [読書・ミステリ]

聖女の塔 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

聖女の塔 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2013/08/09
  • メディア: 文庫



評価:★★★

長編全15作で完結予定の建築探偵シリーズ。
ノベルス版ではすでに最終巻まで刊行済みなんだが、
文庫版では、第12作の本書が最新刊。


2002年、春。
一年間の休学から復学した "蒼" こと薬師寺香澄くん。

大学に登校した蒼は、知人の川島実樹から相談を持ちかけられる。
実樹の高校時代からの友人・海老沢愛子と及川カンナが、
カルトと思われる宗教団体『白い天使の協会』に
相次いで入信してしまったという。

蒼は実樹と二人で教団施設を訪問するが、
愛子とカンナの真意を確認することはできなかった。
実樹は、内部から探るしか手段はないと考え、
教団への偽装入信を決意するが・・・

一方、桜井京介のもとへ武智と名乗る私立探偵が現れ、
長崎県の無人島で10体を超す女性の焼死体が
発見された事件を語る。
地元の警察は、新興宗教の集団自殺として処理していたが、
武智は巧妙な殺人事件ではないかとの疑いを抱いていた。
京介は、武智とともに現地調査へと赴くことになる・・・


ここ何作か、いわゆる "普通の" ミステリに収まらない話が
増えているように思うこの建築探偵シリーズだが、
残り3作(本書を入れても4作)になってきて、
ますますその傾向が強くなってきたように思う。

物語の中心が、京介自身の過去や出自にシフトしてきて、
京介に対して強い悪意を持って対する人物も現れる。

  特に、本書のラストで明らかになる意外な黒幕(?)的キャラが
  残り3作で重要な役回り(要するに京介の "敵" )となるのだろう。

ストーリーも、カルト教団絡みのサスペンスもの、
という雰囲気になり、京介や蒼も命がけの危機に放り込まれる。

  読んでいて、京介と蒼が "明智小五郎" と "小林少年" に
  重なって見えた瞬間があったんだが、錯覚かなあ。
  ・・・なんて、例えが古すぎて分からない人も多そうだが。

これはこれで面白いとは思うんだけど
私はやっぱり "建築探偵" が読みたい。

ユニークな、あるいは建築史的に貴重な建築物がでてきて、
それにまつわる "普通の" ミステリが起こり、それを京介が解明する、
オードックスなミステリ・シリーズだった初期の頃。
私はかなりワクワクして読んでたんだ。

まあ残り3作は仕方がないとして、
またいつか "建築物" メインのミステリに
京介が復帰してくれることを期待している。


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聖刻群龍伝 龍虎の刻3 [読書・ファンタジー]



聖刻群龍伝 - 龍虎の刻3 (C・NOVELSファンタジア)

聖刻群龍伝 - 龍虎の刻3 (C・NOVELSファンタジア)

  • 作者: 千葉 暁
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2014/01/24
  • メディア: 新書



ネットで調べたら、前巻「龍虎の刻2」が出たのが09年5月。
なんと5年近くも続きが出なかったことになる。

一番直近の作品「聖刻1092 神樹1」だって10年4月で、
これを入れてもまるまる4年近く新刊が出てない。

病気になったか、スランプか、作家を廃業してしまったのかなんて
余計な心配までしてしまったが、なんと今年1月に突如復活、
それも「龍虎の刻3」「4」「5」の3冊を「3ヶ月連続刊行」という快挙!

しかもさらに最終章「龍晴の刻」全3巻が、
今年の6・8・10月に刊行されて、完結予定だという。

  この4年間、ずっと原稿を書きためてきて、
  既に最終巻以外の5巻分は書き上がってるというんだからすごい。

だったら、10月まで待って、6冊まとめて読もうかなあ・・・
なんて思ってたんだが、手元に3冊揃ったら
もう我慢できなくなってしまったよ。


物語の開始時点からすでに十数年の年月が経ち、
小国の第二王子だった主人公・デュマシオンも、
大陸西方部の大半を手中にして「龍馬帝」と呼ばれるようになり、
嫡子庶子を含めて二男二女の父親にもなっている。

最後にして最強の敵は、皇帝レクミラー率いるエリダーヌ帝国。
しかし、無用な戦を避けようとするデュマシオンは
愛娘・スクナーとエリダーヌ皇太子・クロムリーとの政略結婚を決める。

わずか10歳にして敵国に嫁ぐスクナーにとって、
味方は侍女のロミナと、14歳の従騎士・ルイスのみ。

本書「龍虎の刻3」は、そのスクナーとルイスの、
エリダーヌ帝国内での "戦い" を描いている。

皇太子妃付きの騎士の座を巡り、
帝国騎士フォルクスの挑戦を受けるルイス。

敵国からの皇太子妃を排斥しようとするエリダーヌ宮廷の婦人たちから
有形無形の嫌がらせを受けるスクナー。

真っ向から堂々の勝負を受けて立つルイスもいいんだけど、
何と言ってもスクナーが素晴らしすぎる。

次から次へと降りかかる難局を軽々と乗り越えて行ってしまう、
能力も見識も行動力も、そして覚悟も一級品の "スーパーお姫様" で、
さすがはデュマシオンの娘である。

戦争と覇権への野心のかたまりのようなクロムリーも、
そんなスクナーに一目置き始めたようで、
案外この二人、仲良くなってしまうかも知れない・・・


しかし本書のラストで、
反乱鎮圧のためにデュマシオンが差し向けた軍が
<蛮人王>ガイザスの奇襲を受けて壊滅する。

このことによって皇太子妃排斥派が一気に勢いづき、
スクナーは窮地に追い込まれたかに見えるが・・・


次巻「龍虎の刻4」は、まるまる1巻分、スクナーが主役みたいである。
これはこれですごく楽しみなんだが
(この巻で、私はすっかりスクナーのファンになってしまったよ。)
読み終わってみると、肝心のデュマシオンの出番が異常に少ない。

本書の前半では。体調を崩して伏せっていたということだが、
なんだか健康面に不安を感じる描写である。

まさか「銀河英雄伝説」のラインハルトみたいになったりして・・・


さすがに5年も空くと、けっこう内容を忘れてる。
特にキャラ。
メインキャラは大丈夫なんだが、
ちょっと出番の少ないサブキャラになると
「こいつ誰だっけ?」「この人、何してる人だったっけ?」

途中でwikiとか見て、確認&思い出しながら読んでしまったよ。

第1巻の刊行から数えると、もう18年もこのシリーズとつきあってる。
今年中の完結と聞くと感慨深いんだけど、今までのことを考えると、
最終巻が無事に10月に刊行されるかどうか
ちょっと疑ってる自分がいたりする・・・

そうならないことを祈るけど。


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