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今年読んだ本ベストテン 2012年版 [読書全般]

毎年恒例の「今年読んだ本ベストテン」、
(とは言いながら第30位まで紹介してる。)
今年は例年に無く読んだ本が少なかった。
いつもなら140~150冊くらい読めるんだけど、今年は110冊弱。
まあ理由はいろいろけどね。
仕事が忙しかったり「ヤマト2199」が始まったり、とか。
その中で、面白かった本を載せる。


それではいってみよう。


第1位 「リヴァイアサン」三部作(スコット・ウエスターフェルド/ハヤカワSFシリーズ)
第2位 「誘拐」(五十嵐貴久/双葉文庫)
第3位 「アバタールチューナー」全5巻(五代ゆう/ハヤカワ文庫JA)
第4位 「2005年のロケットボーイズ」(五十嵐貴久/双葉文庫)
第5位 「カラスの親指 by rule of CROW's thumb」(道尾秀介/講談社文庫)
第6位 「カンニング少女」(黒田研二/文春文庫)
第7位 「獣の奏者」全4巻(上橋菜穂子/講談社文庫)
第8位 「龍の黙示録」シリーズ(篠田真由美/祥伝社文庫)
第9位 「あぽやん」(新野剛志/文春文庫)
第10位 「詩羽のいる街」(山本弘/角川文庫)

「アバタール」は、ゲームのノベライズらしいんだけど、とてもSFらしいSF。
 昔、SFを読み始めた頃にはこんなスケールの大きい作品がたくさんあったなぁ。
「2005年」は、人工衛星打ち上げに挑む高校生たちの物語。
 「カンニング少女」と並んで "笑って泣ける" 青春ものに仕上がってる。
「あぽやん」は空港に勤務する会社員のお仕事小説。
 続編も持ってる(まだ読んでない)。1月からドラマ化されるらしいね。
「詩羽」は非SFなんだけど "センス・オブ・ワンダー" を感じさせてくれる傑作。

第11位 「イルスの竪琴」三部作(パトリシア・A・マキリップ/創元SF文庫)
第12位 「ソロモンの犬」(道尾秀介/文春文庫)
第13位 「首無の如き祟るもの」(三津田信三/講談社文庫)
第14位 「消滅の光輪」上下(眉村卓/創元SF文庫)
第15位 「ラットマン」(道尾秀介/光文社文庫)
第16位 「女王国の城」上下(有栖川有栖/創元推理文庫)
第17位 「Another」上下(綾辻行人/角川文庫)
第18位 「風神秘抄」上下(荻原規子/TOKUMA NOVELS Edge)
第19位 「茨文字の魔法」(パトリシア・A・マキリップ/創元SF文庫)
第20位 「凶鳥の如き忌むもの」(三津田信三/講談社文庫)

「Another」はアニメ化・映画化とすごい人気だったね。
 アニメ版の鳴ちゃんが萌えキャラになっててびっくり。これホラーだよね?
「風塵秘抄」の荻原規子は、来年「レッドデータガール」がアニメ化される。
 原作も文庫化された分は持ってる(まだ読んでない・・・)。

第21位 「シャドウ」(道尾秀介/創元推理文庫)
第22位 「For You」(五十嵐貴久/祥伝社文庫)
第23位 「交渉人・爆弾魔」(五十嵐貴久/幻冬舎文庫)
第24位 「厭魅の如き憑くもの」(三津田信三/講談社文庫)
第25位 「骸の爪」(道尾秀介/幻冬舎文庫)
第26位 「背の眼」上下(道尾秀介/幻冬舎文庫)
第27位 「夜の光」(坂木司/新潮文庫)
第28位 「サスツルギの亡霊」(神山裕右/講談社文庫)
第29位 「パンドラ」全4巻(谷甲州/ハヤカワ文庫JA)
第30位 「山魔の如き嗤うもの」(三津田信三/講談社文庫)


上位30冊に、道尾秀介が6冊、五十嵐貴久・三津田信三が4冊ずつ。
これはたまたまそうなっただけ。
何せ我が家には、積ん読状態の本が大量にあって、
その中から「この人、けっこう冊数が溜まったなあ。じゃあ読んでみるか」
って感じで読み始める。
つまり上記三人は今年読んだ冊数がそもそも多かった、ということ。

あと、今年は厚い本が多かったかな。
文庫版で500ページ超(新書版で375ページ以上)が24冊。
読んだ本のほぼ1/4を占めてる。

最後に。
あくまで、私個人の好みで順位をつけている。
たとえば第1位と第30位の差は,私の好みの度合いの差であって
小説としての出来の差というわけではない。
ましてや第11位と第12位はどこがどう違うのかといわれても困る。
あくまで読み終わった時点での「感覚」で決めてる。
だから読んだ時期が違ったり、読む順番が違っていたら
順位も違っていた可能性は大いにあるので、
あくまで「一個人の気まぐれな順位」ということで我慢していただきたい。
くれぐれも「○○○が△△△より下なんて信じられない!」
なんて文句は言わないで下さいね。


今年はいろいろあった。
何と言っても大きかったのは「宇宙戦艦ヤマト2199」。
38年ぶりに復活するとは・・・驚きだった。
おかげで往年のヤマト熱がぶり返してしまい
早朝から映画館に並ぶは
グッズは買い込むは
幕張まで音楽団を聴きに行ってしまうは
ブログを復活させて大量の駄文を書き散らすは・・・
(そのおかげで総閲覧回数20万突破も達成できた)
来年もしばらくは楽しめそうなので期待してる。

みなさんも健康に気をつけてお過ごし下さい。
それでは、よいお歳を!


「QED 神器封殺」 [読書・ミステリ]

QED 神器封殺 (講談社文庫)

QED 神器封殺 (講談社文庫)

  • 作者: 高田 崇史
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/05/15
  • メディア: 文庫



評価:★★★

前作「熊野の残照」から連続した時間軸上のお話。

病院のオーナーが首と右手首を切断されて殺されるという事件が起こる。
レギュラーメンバーの崇&奈々に小松崎と沙織、そして引き続き登場する禮子。
さらには「毒草師」を名のる御名形史紋(みなかた・しもん)という青年まで現れて
おなじみの古代史を巡る蘊蓄が語られる。

なんと、結末部分は袋とじ。
読者への挑戦があるわけではないのだが、ちょっと驚くよね。
今回の古代史の謎解きについて、いろいろ図版が載ってるのだが
要するに、それを先に見ちゃ嫌よ、というわけだね。

たしかに終盤に出てくる図版はすごい。
よくまあこんなに・・・って思うんだけど
読み終わって少し経って冷静になると

これにはどんな意味があるのか。
なぜ、こんなことをしたのか。
古代の人にこれを可能にする技術があったのか。
・・・なんてことをふと思ったりする。

たしかにすごいし、ここまでいけば
偶然の一致ではすまなくなるのかも知れないけど
日本に××なんて星の数ほどあるしねぇ。

まあ、フィクションでここまで凝った説を練り上げた
作者の博識には素直に脱帽ですが。


あと、P.361の図版は、
私の一家がいつも初詣に行くお寺で売ってるお守りに同じ図が使われてる。
ちょっと嬉しくなった。

実は次作の「御霊将門」も買って持ってるんだけど、
ちょっと見てみたら口絵のページに載ってる地図に、
そのお寺も載ってたよ。


「ホアズブレスの龍追い人」 [読書・ファンタジー]

ホアズブレスの龍追い人 (創元推理文庫)

ホアズブレスの龍追い人 (創元推理文庫)

  • 作者: パトリシア・A. マキリップ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/08
  • メディア: 文庫



評価:できません

ファンタジーの巨匠・マキリップの短編集。
マキリップって長編型だと思ってたけど、やっぱ短編は数が少ないのかな。
ここに納められた15の短編は17年間にわたって書かれたと解説にあるし。

そう思って読むと、どの短編も
長編の一部を切り出したような感じだったり
長編のダイジェストみたいというか、長編に使える題材じゃないかなって思ったり。

読んでいて、よくわからない作品もけっこうあって、
実は半分くらいの作品は斜め読みしたり、
途中で読み飛ばしたりしてしまったことを告白しておく。
それでも、いくつかはとても面白いと思ったけどね。

異世界ファンタジーは、その世界に順応するまで(私が)時間がかかるので
やっぱり長編でじっくり読むのがいいなあと再認識いたしました。


「ナナフシの恋 ~Mimetic Girl~」 [読書・ミステリ]

ナナフシの恋~Mimetic Girl~ (講談社文庫)

ナナフシの恋~Mimetic Girl~ (講談社文庫)

  • 作者: 黒田 研二
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 文庫



評価:★★☆

一学期の終業式の日、高校2年生の麻帆が校舎から転落した。
意識不明の重傷を負い、病院で眠り続ける麻帆。
飛び降り自殺を疑う友人たち。

そして夏休みが終わろうとするある日、
麻帆の友人・沙耶は一通のメールを受け取る。
「明日の1時。教室で待つ」
送信元は麻帆の携帯。
しかし彼女の携帯は転落直後から行方が分からなくなっていた。

呼び出しの通りに出向いた沙耶は、
自分以外にも5人のクラスメートが呼び出されていたことを知る。

麻帆のことを語り合う6人。
やがて明らかになってくる意外な麻帆の素顔。
果たして呼び出しをかけたのは誰か。
そして転落事件の原因は・・・


作者の青春ミステリとしては「カンニング少女」という傑作があった。
あちらは「笑って泣ける」作品だったが
こちらは(扱う素材のせいでもあるが)ちょっと重い雰囲気かな。
ページ数も少なく、さくさく読めるんだけどね。
6人(+麻帆)は、みな青春期特有のもやもやとした悩みごとをいろいろ抱えている。
まあ、それがなけりゃ青春ミステリじゃないし・・・
ただ、私はやっぱりそういうものは苦手だなぁ。

終盤では転落事件の真相が明かされるが、彼女の転落に至る経過がちょっとねえ・・・
いや、いくら××が××だからって、ねえ。かなり無理があるような気が。

でも、救いが感じられる幕切れになっているので、読後感は悪くない。
私のようなオジサンはともかく、
高校生くらいの若い人なら楽しく読めるじゃないかな。


「リヴァイアサン」「ベヒモス」「ゴリアテ」 [読書・SF]

リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

リヴァイアサン クジラと蒸気機関 (新☆ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 作者: スコット・ウエスターフェルド
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2011/12/07
  • メディア: 新書




ベヒモス ―クラーケンと潜水艦― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)

ベヒモス ―クラーケンと潜水艦― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 作者: スコット ウエスターフェルド
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/06/08
  • メディア: 単行本




ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)

ゴリアテ ―ロリスと電磁兵器― (新ハヤカワ・SF・シリーズ)

  • 作者: スコット ウエスターフェルド
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2012/12/07
  • メディア: 単行本



評価:★★★★

 面白い本の紹介の時にはいつも書くことをまた書こう。


以下の駄文なんか読まずに、すぐに本屋さんへ行きましょう!


・・・とは言っても、「ハヤカワSFシリーズ」という
ちょっとマイナーなレーベルなので、小さい本屋さんでは置いてないだろなぁ。
探し回るより、取り寄せるかネットで買うのが早いと思う。

いやー、久しぶりに時間を忘れて読みふけってしまったよ。
新書三冊、合計で約1350ページくらいを10日ちょっとで読んでしまった。
最近の私には無いハイペースだったね。
おかげで、恒例の「今年読んだ本ベストテン」に、滑り込みセーフで
(たぶん)堂々の第1位になる(と思う)。

上にも書いたが、この本はハヤカワSFシリーズという新書版のレーベルで出てる。
このシリーズは、往年の海外名作SFを多数日本に紹介したので有名だが
私がSFに興味を持ち出した頃には既に廃刊・絶版になっていて、
欲しい本を探して神田の古本屋街をさまよったこともある。
(その後、ハヤカワSF文庫にほとんどの作品が収録されていったのだけど)

昨年にこのシリーズが再開されると聞いていたのだが、
その第一弾がこの三部作の第一作「リヴァイアサン」だった。

けっこう面白そうだったし、今月に完結編の「ゴリアテ」が刊行されたのを機に
三冊同時に購入して読み始めたんだけど・・・いやぁ~面白かった。

ちょっと内容を紹介するが、もし読んでみようと思ったのなら
こんな駄文なんぞ読まずに(ry


舞台になるのは、我々とは科学技術の進歩が異なる世界の1914年。

この作品世界は、科学技術体系の違いから二つの陣営に分かれている。

機械技術が高度に進んだ"クランカー"と
遺伝子操作による人工生物を駆使する"ダーウィニスト"である。

主人公の少年・アレックは、クランカー陣営に属するオーストリアの公子。
皇室の一員である両親が暗殺されたことがきっかけになって、
オーストリアは同じくクランカーの同盟国ドイツとともに
ダーウィニスト陣営に対して宣戦を布告する。
(この世界における第一次世界大戦の開始である。)
両親を殺害した勢力に追われるアレックは、数名の家臣とともに
スイスの山中に潜伏することになる。

もう一人の主人公、ダーウィニスト陣営のイギリス人少女・デリンは、
空を飛ぶ夢を叶えるために男装して英国海軍航空隊に入隊する。
(女子は入隊できないため。
 物語中、デリンは自分の正体を隠すために四苦八苦するはめになる。)
入隊テストでのアクシデントが原因で、
巨大飛行獣リヴァイアサンに配属されることになるデリン。
密命を帯びてイスタンブールへ向かうリヴァイアサンだが、
途中でドイツ軍の攻撃を受け、スイス山中へ不時着してしまう。
損傷したリヴァイアサンの前で、アレックとデリンは運命の出会いを迎える・・・

これが第1作「リヴァイアサン」の前半までのあらすじ。
この後、アレックたちはリヴァイアサンに乗ることになり、
オスマントルコ、シベリア、東京、そしてアメリカへと
地球を半周以上することになる。
そして行く先々で様々な冒険や苦難に巻き込まれていく二人。
お互いの信頼を深めていくうちに、デリンは自分の中に
アレックへの愛情が芽生えていることに気づく。

世界大戦の早期終結を願うアレックと、
身分違いの恋に悩むデリンを乗せて、
リヴァイアサンは戦いの空を旅していく・・・


全編を通してアクション主体の冒険もの、といった感じだが
3巻は主役カップルのラブストーリーとしても楽しい。


舞台となる巨大飛行獣リヴァイアサンとは、
クジラの遺伝子をもとにつくられた生体飛行船。
体内には様々な生物が共生していて、
その中の水素をつくり出す生物によって浮力を得る。
天空の城ラピュタに出てきそうだね。

一方、クランカーの繰り出すメカはさながらロボットアニメのよう。
ウォーカーと呼ばれる二足歩行戦車を始め、多足歩行の陸上戦艦とか
まるでザブングルかボトムズか。

ジャパニメーションの影響があるのか無いのかは分からないが、
(無いはずはないと思うけど)
上記のようなモノがあふれているこの世界は、海外作品にも関わらす
日本人にはきわめてなじみやすいんじゃないかな。
(これ日本でアニメ化したら、原作が海外作品だと誰も思わないよ、きっと。)

これでイラストがもうちょっと日本人受けするようだったら
完璧なんだが、そこまで求めちゃいけないか。
原版についてるイラストもそれなりに味があるのは認めるが。


「カラスの親指 by rule of CROW's thumb」 [読書・ミステリ]

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

カラスの親指 by rule of CROW’s thumb (講談社文庫)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2011/07/15
  • メディア: 文庫



 

評価:★★★☆ 

阿部寛主演で映画化されたんだね。
別にそれに合わせて読んだわけじゃないんだ。
半分くらいまで読んだあたりで映画のことを知った。
阿部ちゃんは「タケさん」ってイメージじゃないねえ。
ちょっといい男過ぎる。
私は"40代くらいの頃の渡瀬恒彦"を思い浮かべながら読んでた。


主役となるのは、悪徳サラ金の犠牲になってすべてを失った男二人。
タケとテツは、詐欺師を生業に細々と生きていた。
ある日、ひょんなことから、まひろという少女を助けた二人は
芋ズル式にさらに二人の同居人を抱えることになり、
結局5人で一つ屋根の下に暮らしはじめる。

しかし、そこに現れる過去の影。
5人は、平穏な人生を手に入れるために、
ある大がかりな計画にとりかかる・・・

分類すればコン・ゲーム小説になるんだろうね。
作中で披露されるいろいろな詐欺・ペテンの手口も面白いけど
そこは道尾秀介ですから、ラストの切れ味も抜群。

希望と哀愁が入り交じる物語の幕切れもまたよし。
読後感もさわやか。
変わった作品タイトルだけど、その意味が分かると、
「このタイトル以外あり得ない」って思える。
これも年間トップテン入りだね。


ついでに映画の公式サイトを覗いてみた。
阿部ちゃん以外のキャストも載ってるのでちょっと紹介してみよう。

テツさん・・・村上ショージ。これはけっこうイメージに近いかな。
やひろ・・・・石原さとみ。私には清純派のイメージが強いんだけどどうなんだろ?
まひろ・・・・能年玲奈。よく知らない。ドラマとか全くといっていいほど見ないんで。
              「やひろとよく似てる」という原作の設定は大丈夫そう。
       サイトの写真だけ見るとけっこう石原さとみと似てる。
       姉妹と言っても充分通るね。
貫太郎・・・・小柳友。全く知らない人。
       原作ではデブの巨漢だったけど映画ではノッポに変更?
              原作読んでるときはお笑い芸人の三瓶を思い浮かべてた。
ヒグチ・・・・鶴見辰吾って、いつからこんな悪人顔になったんだろ。
              もとからだっけ?

映画館までは観に行かないけど、レンタルになったら借りて観るかも。


「胡蝶の鏡 建築探偵桜井京介の事件簿」 [読書・ミステリ]

胡蝶の鏡 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

胡蝶の鏡 建築探偵桜井京介の事件簿 (講談社文庫)

  • 作者: 篠田 真由美
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/08/10
  • メディア: 文庫



 

評価:★★☆ 

建築探偵シリーズ長編第11作目。
全15作で、ノベルズでは既に完結しているはず。
私は基本的にミステリは文庫でしか買わないので数年遅れで追いかけてる。


4年前、父親の反対を押し切ってヴェトナム人と結婚した四条彰子。
その際、関わりを持った桜井京介と栗山深春に、彰子が助けを求めてきた。

彰子を苦境から救うべくヴェトナムに渡る二人だが、
二人の滞在する政府高官の家で女医が服毒死する。

ヴェトナムの風景や風俗描写、南北分断と戦争の歴史、
彰子の夫・タンの一族が舐めてきた悲惨な過去、
そして90年前に起こった謎の銃撃事件の真相など、
事件の周辺を彩る物語がとても豊か。

ただ、ミステリとしてはちょっと小粒な感じ。
女医の事件自体は、ネタとしては短編レベルかな。
京介や深春などのおなじみのキャラクターが活躍する姿が読みたい、
という人にはいいのかもね。

後書きを読むと、シリーズ完結へ向けて
あちこちに伏線が張ってあるらしいんだけど
よく分かりませんでした。
(そう簡単に分かっちゃったら伏線じゃないか)


「『アリス・ミラー城』殺人事件」 [読書・ミステリ]

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

『アリス・ミラー城』殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: 文庫



 

評価:★☆

日本海の孤島に建つ「アリス・ミラー城」。
城の中のどこかにある「アリスの鏡」を探すために集められた10人の探偵たち。
そして城の遊戯室には10個の駒がのったチェス盤が。

やがて起こる連続密室殺人。
死者が出るたびに減っていくチェスの駒・・・

クリスティの名作「そして誰もいなくなった」をなぞるような展開だが
ラストで明かされる真相は・・・

実は私、読み終わったとき、よく分からなかった。
何が起こっていて誰が犯人だったのか。
「そんな馬鹿な」と思われるかも知れないが、そうだったんだ。

んで、思わずネットで検索してしまった。
そしたら、『「アリス・ミラー城」殺人事件 の真相を解説する』
みたいなサイトがあったので、
私みたいな人はけっこういたんだ、とひと安心。
ひょっとして私ってものすごいおバカだったんじゃないかって
心配になってしまったよ。

そのサイトに書いてあることを読んでみて、
やっと真相を理解できた。

ただ・・・
私はこの真相は好きになれないなあ。
ネットの評判では、ものすごく褒めてる人がいるんだが
(いわゆる「ミステリの鬼」みたいな人には受けがいいみたいだ)
私はそこまで評価する気になれない。
まあ好き嫌いの問題だと思うけど。

ものすごくよく考えられてて、
手間もかかってて、
凝った構成になってるのは認める。

でも、それと
その作品を好きになれるかどうかは別、ということだね。


なんだか最近、ミステリの感想で何度もおんなじ事を書いてる気がする。
もう私の頭はミステリを受け付けなくなってしまったのかなあ・・・


「スラッシャー 廃園の殺人」 [読書・ミステリ]

スラッシャー 廃園の殺人 (講談社文庫)

スラッシャー 廃園の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2012/09/14
  • メディア: 文庫



評価:★★☆ 

ホラー作家・廻数回一藍(えすえ・いちあい)が全財産を注ぎ込んで
完成させた広大な廃墟庭園。通称<魔庭>。

弱小映画会社ブロフォンド・ロッソは、
ホラー映画のメイキング映像を撮るためにここへやってきた。

しかし中へ入った一行を待っていたのは謎の怪人と連続殺人だった・・・

ミステリ的にはクローズト・サークルものなんだろなあ。
閉鎖空間の中で一人一人死んでいき、さて犯人は誰だ?

この手のものはなかなか犯人の意外性というのは出しにくいと思うんだが
最後で明かされる犯人は・・・・

なんだか最近この手のものが多いような気がする。
私はだめだなぁ。
すごく凝った作品だというのは分かるんだけど。

この作品の舞台の異常性や独特の雰囲気は大好きなんだけどねぇ・・・
あ、でも私にスプラッター趣味はありませんので念のタメ


「オドの魔法学校」 [読書・ファンタジー]

オドの魔法学校 (創元推理文庫)

オドの魔法学校 (創元推理文庫)

  • 作者: パトリシア・A. マキリップ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2008/02
  • メディア: 文庫



 

評価:★★★ 

「イルスの竪琴」三部作を復刊してくれた創元社から、
いつのまにかマキリップの邦訳がたくさん出ていたんだね。

天涯孤独の青年・ブレンダン。
ある日、彼のもとをオドと名のる女巨人が現れ、
彼女の依頼のままに、都にある魔法学校の庭師へ就任する。

と書くとブレンダンが主役のように見えるが、意外と彼の出番は少なく、
物語はもっぱら3組のカップルによって進行する。

魔法学校の教師ヤールと、彼の恋人で歴史学者のセタ。
ヤールはブレンダンの世話係みたいな役回りかな。
この二人は、人生経験を重ねた熟年カップルという感じで安定感がある。

王女スーリズと、その婚約者である顧問官・ヴァローレン。
スーリズは王の命令で婚約させらてしまったんだが、
じゃあその相手のことが嫌なのかというとそうでもないらしい。
彼女は、ヴァローレンの心の内が知りたいみたいだ。
要するに「王の命令と関係なく、私はあなたが好きなんです」って
言ってほしいんだね。
でまたこのヴァローレンというのがくそ真面目な朴念仁で
およそそんな台詞を言いそうにないキャラになってる。
そのへんもけっこう面白い。

地区警吏監アーネスと、魔術師ティラミンの娘ミストラル。
この王国では魔法の使用が厳しく規制されているみたいで、
アーネスは、都の歓楽街で怪しげなショーを興行している
魔術師ティラミンのことを探りに行き、そこでミストラルと知り合う。
この二人の許されざる恋が物語の進行と共に深まっていき、
ラストの山場につながっていく。

ブレンダンとオドという二人のキャラより
上記3組のカップルの方が断然目立ってて
彼らの行動を追っていくだけで楽しく読める。

あ、もちろんラストはこれらのキャラが総登場し、
きれいにまとまって、まさに大団円。
そのへんの構成力はさすがマキリップ。