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英国空中学園譚 ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る [読書・ファンタジー]

ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る (英国空中学園譚)

ソフロニア嬢、空賊の秘宝を探る (英国空中学園譚)

  • 作者: ゲイル キャリガー
  • 出版社/メーカー: 早川書房
  • 発売日: 2013/02/08
  • メディア: 文庫



評価:★★★

吸血鬼や人狼が人間たちと共存する、
パラレルワールドなヴィクトリア朝英国を舞台に、
アレクシア女史の活躍を描いた〈英国パラソル奇譚〉シリーズ。

本書はその〈英国パラソル奇譚〉の時代を
25年ほど遡った1851年に始まる。


主人公のソフロニア・テミニック嬢はお転婆盛りの14歳。
今日も屋敷の中を走り回るソフロニアは、
勢い余って来客の頭へトライフル(デザートの一種)を
盛大にぶちまけてしまい、堪忍袋の緒を切った母親によって
「花嫁学校」(フィニシング・スクール)へ入れられてしまう。

 ちなみに finishing school の意味を調べてみたんだが
 「裕福な家庭の娘が社交界へ出るための作法や教養を学ぶ私学」
 とある。

驚くべきことに、その日のうちに
学長のマドモアゼル・ジェラルディンと名乗る女性が現れ、
彼女とともに学園へ向かって出発する羽目になるソフロニア嬢。

学園へ着くまでにも、ひと波乱もふた波乱もあって、
読者を飽きさせずに畳みかけるようにイベントが発生する。

そして着いてみてまたびっくり。
タイトルにもあるけれど、この学園は
巨大な飛行船が連なってできており、空中をふわふわと漂っているのだ。

さらに、入学してみてもっとびっくり。
なんとこの学園の授業内容は礼儀作法にとどまらず、
情報の集め方、毒薬の扱い、吸血鬼への対処法、
陽動作戦術、最新武器学・・・要するに、スパイ養成学校だったのだ。
しかしソフロニアは案の定、すっかりこの学園が気に入ってしまう。

 なぜ彼女がここに放り込まれてしまったのかは
 本書の最後で明かされる。

タイトルの "空賊" とは、飛行船に乗って
ソフロニアを、そして学園を何度も襲撃してくる謎の一団のこと。
どうやら彼らは上級生のモニクがどこかに隠した
謎の "試作品" なるものを狙っているらしい。

時代こそ19世紀だが、日常生活の中に
メカ執事やメカアニマルなどの機械類が闊歩するなど
スチームパンクな科学技術が支配する世界で、
ソフロニア嬢の冒険が綴られていく。


主人公を取り巻くクラスメートも、
「学園ものならこんなキャラいるよね~」的に
ひととおり揃っていて(笑)
意地悪な上級生も、変人の教師陣もお約束(笑)。

本書は第一巻なので、学園の設定紹介、キャラの紹介、
次巻以降へ向けての伏線張りにも多くの描写が割かれている。

たとえば学園の最下層には、動力源を維持するための
"かま焚き" に従事する男の子たちがいて(なんと燃料は石炭だ!)、
その中の一人とソフロニア嬢は仲良くなる。

後半になると、学園の姉妹校(兄弟校?)である
男子校の生徒たちも登場し、その中の一人は
ソフロニアに意味深な視線を投げてくる。

今後の展開ではソフロニア嬢のラブロマンスも期待できそうだ。


〈英国パラソル奇譚〉と同一世界なので、
本書にも三人ほど共通で登場する人物がいる。
当然ながら25年前なので、若き日の姿が拝めるわけだ。
次巻以降にも、おなじみのキャラクターが登場するらしい。

〈英国パラソル奇譚〉と、直接のストーリーのつながりはないので
本書を読むに当たって〈奇譚〉シリーズを未読でも差し支えないが、
世界設定や共通するキャラの背景とかを知っていた方が
より楽しめるのは間違いないので
できたら〈奇譚〉シリーズを読んでからとりかかることをオススメする。


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