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シャーロック・ホームズたちの冒険 [読書・ミステリ]


シャーロック・ホームズたちの冒険 (創元推理文庫)

シャーロック・ホームズたちの冒険 (創元推理文庫)

  • 作者: 田中 啓文
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/10/20
  • メディア: 文庫

評価:★★★


ホームズとルパンの知られざる冒険譚と、
歴史上の著名人たちが探偵となって活躍する物語、
合わせて5編収めた短編集。

「『スマトラの大ネズミ』事件」
ホームズ譚の語り手・ワトソン医師が死の直前に記した、
"語られなかった事件" という設定。
ライヘンバッハの滝から生還したホームズとワトソンが再会して1ヶ月、
ロンドンのアパートの一室で娼婦とその客が
密室状態で殺されるという事件が起こる。
しかも娼婦は首を切り落とされ、殺された男は
スマトラに伝わる「キーゾブルの呪い」と記された布片を持っていた。
さらに第二の首切り殺人が起こり、ホームズは捜査に乗り出すが・・・
オーソドックスなホームズのパスティーシュものと思っていると
思いっきり背負い投げを食らう。
ラストに至るともう「なんじゃこりゃぁ!」と叫びそう(笑)。
まあこの作者が書いてる時点でわかりそうなものだが。
そしてしっかりオチはダジャレで締めるところも。

「忠臣蔵の密室」
大石内蔵助率いる赤穂四十七士が吉良邸に討ち入った。
主君の仇を探し求める浪士たちは、ついに炭小屋で上野介を発見するが
彼は既に死体となっていた。
おりしも降り積もった雪のため、炭小屋は密室状態。
誰が、どうやって、そしてなぜ浪士たちに先立って吉良を殺したのか。
内蔵助の嫡男・主税(ちから)からの書状で当日の状況を知った
大石の妻・りくが真相を推理するという、一種の安楽椅子探偵もの。
そして、最後のもう "ひとひねり" が効いていて素晴らしい出来。
ここで終わっていれば「ユニークな歴史ミステリ」として
きれいに納まるんだけど、"エピローグ2" までくると一気に脱力。
もう、これをやらずにはいられないんですねえ。

「名探偵ヒトラー」
独裁者アドルフ・ヒトラーの個人秘書を務めていた
マルティン・ボルマンの残した手記という形で語られる。
なんとヒトラーはホームズ譚の大ファンで、
ボルマンと二人きりでいるときは
すっかりホームズ気取りになってしまうという設定にまず驚き。
総統大本営「狼の巣」の一角にある防空壕、
その中にある執務室に保管されていた "ロンギヌスの槍" が盗まれる。
この槍こそ自分の守護神と信じるヒトラーはただちに捜索にとりかかる。
「狼の巣」は厳重な警備に守られていて外部からの侵入者はなく、
しかも限られた人員しかいない防空壕内で、
犯人を追い求めるヒトラーの名(迷?)推理が始まるが・・・
エキセントリックな探偵役のせいで、
全編にわたってブラックな味わいのコメディなのだけど
ラストに提示される真相はいたってシリアスだったりする。

「八雲が来た理由(わけ)」
明治23年、小泉八雲ことラフカディオ・ハーンは、
英語教師として島根県の松江に赴任してきた。
教頭の西田とともに森を散策する八雲に聞こえてきたのは、女の悲鳴。
駆けつけた二人が見たものは、仰向けに倒れた男と、
そのたもとに転がる女の生首。
しかも女の口は男の着物の袖にしっかりと噛みついていた・・・
"怪談" を思わせる事件を解決する八雲の探偵譚なのだけど、
最後になって、さらに八雲自身が抱える秘密にまで拡がりを見せる。
ここで終われば一編の怪奇小説としてきれいに終わるんだが、
ああ "エピローグ2" が・・・ホントに好きなんだねえ・・・

「mとd」
ルパンの血を引く日本人の残した原稿、という体裁で幕が開く。
ネタに困った若手作家・ルブランの前に怪盗ルパンが現れる。
これからジュノアール伯爵が所有する秘宝、
"サン・ラー王のスカラベ" を盗みにいくという。
伯爵はルーアンの古城を買い取り、そこに数々のお宝を貯め込んでいる。
ルブランもまた単身で伯爵のもとへ向かうが
そこに現れたのはルパンを追い続けるガニマール警部。
伯爵の古城に案内されたルブランは、
お宝が鉄壁の守りの中にあることを知る。
これにはさすがのルパンも手こずりそうだ。
そんなとき、イギリスからホームズがやってくる・・・
最後に明かされる真相は意外だが、どちらかというとトンデモ系かな。
ルパンが変装の達人で神出鬼没なのは有名なのだが
その裏にこんな "事情" があったとは。
でも、こんなぶっ飛んだオチは、この作者だからこそ(失礼!)
大目に見てもらえるような気も。


巻末の解説によると、この "著名人探偵(笑)シリーズ"、
第二弾の構想もあるらしいので楽しみに待つとしましょう。

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竜の雨降る探偵社 [読書・ミステリ]


竜の雨降る探偵社 (PHP文芸文庫)

竜の雨降る探偵社 (PHP文芸文庫)

  • 作者: 三木 笙子
  • 出版社/メーカー: PHP研究所
  • 発売日: 2016/03/09
  • メディア: 文庫
評価:★★★

時は昭和。新宿に "雨の日だけ営業" する、変わった探偵社があった。
その主にして唯一の社員である水上櫂(かい)。
元神主という変わった経歴である。

さっぱり客は来ないが、その代わり
幼なじみの和田慎吾が相談事を持ち込んでくる。
その背後に隠された "事件" を引き出し、解決していく
櫂の活躍を描く連作ミステリ。

「第一話 竜の雨降る探偵社」
建設会社「和田技研」創業者の次男である慎吾は、
子会社をひとつ任されている。
その会社の入っているビルの1フロアの下にある「友永商事」、
その受付で働く真田温子が困っているという。
近頃、会社宛に郵便物が間違って配達されることが頻発していると。
そしてその数日後、温子は謎の失踪を遂げる。
間違って配達されることに秘められた意味は意外だが、
現在ではどうだろう。昭和の頃だから成立した話なのかも。

「第二話 沈澄池のほとり」
"沈澄池" は "ちんちょうち" と読むのだそうな。
河川から引いた水を水道水として利用する際、
いったん水をため込んで浮遊物や泥を沈殿させる池のことだ。
淀橋浄水場にある沈澄池で、若い女性が投身自殺を遂げた。
それ以来、池のほとりでじっと佇む女性が現れる。
彼女は長峰志保子と名乗り、自殺した女性の親友だったと語るが・・・
本筋と並行して、逃亡中の麻薬密売人の話が出てくる。
最終的には二つの話のつながりが暴かれるのだろうと予想は着くが
真相を暴くために櫂がとった行動がかなり突飛で、
これは最終話への伏線にもなっている。
ちなみに、現在では淀橋浄水場はなくなっていて
その跡地には高層ビルが建ち並び、「新宿新都心」と呼ばれてる。

「第三話 好条件の求人」
早稲田大学のアルバイト斡旋掲示板に掲げられた「カメラマン募集」。
破格の条件に23人もの応募者があったため採用試験が行われることに。
場所は江ノ島。しかし、参加した学生・門間博人は、
バスを借り切って一日がかりで行われた "試験" に不審なものを感じ、
慎吾と櫂に相談するのだが・・・
いやあ、"犯人" 側の意図はわかるが、それにしては
大がかりで手間がかかりすぎてコスパが悪そうだなあ。
あと、本筋に関係ないけど、名前だけだが
"当年とって70歳の人気美人画家・有村礼" が登場する。
《帝都探偵絵巻》シリーズと同一の世界とすると、
本書の物語は昭和30年代はじめあたりかな。

「第四話 月下の氷湖」
その日、水上探偵社を訪れた美女は櫂の幼なじみの渡部真澄。
慎吾を交えて3人で故郷の想い出を語り合う。
干拓によって故郷から姿を消した湖のこと、
(たぶん秋田県の八郎潟がモデルだと思う)

慎吾の父・儀平のこと、慎吾の腹違いの兄・誠吾のこと、
儀平の後妻に入り、慎吾を生んだ母・志津子のこと。
地質学の研究者にして、湖のほとりに住み着いた楠木のこと、
そして、慎吾にとって命の恩人でもあったその楠木が
最近亡くなったこと・・・
そして、慎吾の心に棘のように刺さっていた、
誠吾との間にある "わだかまり"。
その陰にあった "事情" を櫂が解き明かし、慎吾の心を癒やしていく。
さらに、最後の最後で、もうひとつ意外な事実が明かされる。
いやもうこれはミステリの範囲を超えてるんだけど
ネタバレになるので書きません。

物語はこの第四話で完結となるので、おそらく続編はないだろうけど
もうちょっと慎吾と櫂の探偵譚を読みたかった気もする。

最後に余計なことを。
本編と全く関係ないんだが、「和田慎吾」ってキャラ名をみて、
どこかにそんな名前の漫画家がいたなあ・・・
って思ったんだけど、そちらは「和田慎二」さんでしたね。
ヨーヨー持った女子高生が、なんと実は刑事だったりして、
そんでもって "桜の代紋" を振りかざして大暴れするというアレの人。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その12 [アニメーション]


第10話 幻惑・危機を呼ぶ宇宙ホタル  (2/2)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■コスモウェーブ再び

ゴーランド艦隊の前で光り輝くテレザート星。
そしてヤマトの直前に輝く光が。

真田さんの前には守ニーサン。久々の登場。

「時間も空間も障害にはならないが、
 近づかなければ見せられないものもある。
 確証もないのにお前たちはここまで来た。
 今度はこちらが証しを立てる番だ」

古代の前には、お約束の沖田艦長。

「沖田さん、俺はダメです。指揮官としてみんなを束ねることも
 スターシャさんとの約束を守ることもできず。
 これから俺は・・・ヤマトはどうしたら」
「古代、おまえはよくやっている。本当によくやっているじゃないか」

古代の目から涙が。
まあ、今の彼にとって、いちばん言って欲しかった言葉だろうから。

「とるべき針路はお前の心が知っている。」
「待って下さい艦長、沖田さん・・・」
「お前の心に従え」

いままでの「ヤマトに乗れ」「覚悟を示せ」という言葉とは
若干ニュアンスが異なっているような気がするが。

■ "幻影" の正体は

そもそもこの "幻影" とは、どんなものなんだろう。

テレサが "死者の影" を通して語っているのか、

それとも "死者の魂" というものが高次元の世界に存在していて
テレサがそれを "現世" にいる人間たちに引き合わせているのか。

はたまた、単にコスモウェーブを浴びた人間が
"自分の作り上げた妄想" を幻視しているだけなのか。

前にも書いたが、私としては古代の「沖田越え」を見てみたい。
「さらば」のラストシーンのように
沖田の幻影にすがる古代は見たくないし、
たとえ幻影が現れて何か古代に喋っても
「いいえ沖田さん、僕はそうは思いません」
って言える古代であってほしいのだが・・・

前にも書いたが、こんなことを言ってると
「さらば」のファンの方々からは石を投げられそうだが・・・

中空に浮かぶテレザートとテレサの姿。
今度はヤマトに乗っている全員が見ることに。

■土方の立ち位置

「話は分かった。だが」土方は艦長就任を断った様子。

このあたり、シナリオ集ではもうちょっと詳しく書かれていて
古代のことを慮って断っているのがわかる。

「だが、旅にはつき合わせてもらう。俺も見てしまったからな」
土方の見た幻影も沖田だったのだろうか。

■斉藤

斉藤に語りかける加藤。「あんたは誰の幻を見た」

彼が見る可能性として考えらるのは、
かつての上官で御影の父でもある桐生隊長あたりかな。
しかし彼が見たのは謎の黒いシルエット。
うーん、思わせぶりだなあこのあたり。

■沖田の子ら

真田が口を開く。「引き返す選択肢もある」
しかし古代は決断する。

「前に進もう。そこには救いを待つ何かが存在する。
 祈ることしかできない過酷な状況に置かれながら、
 でも、祈ることをやめようとしない。
 俺たち人間がそうであるように」

いい台詞だなあ。
第6話で十一番惑星救出を決断したシーンの台詞も良かったが
さらりと人の有り様を示すあたり、なかなか深い。

「批準針路テレザート、二時間後にワープを行う」
「さすがはお前の子どもたちだ」

土方もまた、自らの意思でヤマトの旅に加わった。
彼の活躍もこれからが本番だろう。

この第10話は、いろいろな思いを胸にヤマトに乗り込んだ人々が
改めてテレザートへ向かう決意をする回なのだね。

■デスラー再登場

「あの男に艦隊をあたえるだと」
「死体同然で宇宙を彷徨っていた負け犬ごときに」

幕僚たちの陰口を背に受けながらマントを翻して現れる。

「わがガトランティスに敗軍の将の席も二度目の機会という言葉もない。
 御前のような者に艦隊を預けるなど異例なこと。
 大帝に感謝を!」

大帝の裁可が気に入らない様子のサーベラー。
リメイク版のデスラーも彼女にいびられるのでしょうか(笑)。

「サーベラー、一国の王には敬意を払え。
 我らに見せてもらいたいものがある。我々にはない言葉、『執念』。
 貴殿にはうってつけの獲物を用意した」

中空にヤマトの像が浮かぶ。

「どうかな、デスラー総統」
「感謝の極み」

ついに再登場を果たしたデスラー。
ガトランティスの力で蘇生させられたのですかね。
蘇生体みたいに何か細工されてませんかね。
敵ながらちょっと心配ですね。

しかもガトランティスには「愛」はもちろん
「執念」も存在しないらしい。

彼らが着々と宇宙の征服を進めているのも、
それが与えられた「使命」であり、それが「存在意義」だからで
「欲」とか「野望」なんてものは
もともと欠片さえ持ち合わせていないのかもしれない

■次回予告

「私は屈辱を忘れん男だ」

転送システムを使った攻撃はもうはずせませんよね。
問題は、これをヤマト側がなんと呼ぶか。
いくらなんでも今回は「デスラー戦法」はないだろうなあ・・・

今のところ、ここが第四章で一番気になる(おいおい)。

■終わりに

いつもはもっとおちゃらけて書いてるかと思う
この「感想・・・のようなもの」ですが、「第三章」は
内容が内容だけにけっこう真面目に(笑)書いてしまいました。
それだけ考えさせられるストーリーだったのですかね。

「第三章」については、とりあえずこれにて終了でございます。

いつもの通り、見たまま考えたまま頭に浮かんだものを
だらだら書いていて、長いだけでたいした中身はありませんが
まあ私の文章力ではこれが限界かと。
12日間にわたり、お目汚し失礼いたしました。
よろしければ「第四章」以後もお付き合いください。

明後日あたりから通常運転に戻して
読書感想録のアップを始める予定です。

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その11 [アニメーション]


第10話 幻惑・危機を呼ぶ宇宙ホタル  (1/2)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■幼生体

冒頭に現れるのは剣を交える二人。
勝ったのはザバイバル、敗者はノルと呼ばれる若者。
それを見ていたゴーランド提督。

ザバイバルとゴーランドの会話から
どうやらノルはゴーランドにとって "幼生体" とよばれる存在の様子。
やがて成長の暁には、ゴーランドを "襲名" し艦隊も引き継ぐとのこと。

ゴーランドのCVは山路和宏さん。これまた大物。
大河ドラマ「軍師官兵衛」では安国寺恵瓊役で熱演されてましたよね。
ザバイバルのCVは屋良有作さん。ガトランの歴史がまた1ページ(笑)。

幼生体の育成に手間を惜しまぬことは自分自身を慈しむのと同じ。
ガトランティス人としてはあるまじき行為であるとのこと。
彼らの会話を聞きながら給仕をする謎の人物。
性別が今ひとつわかりにくいけど、シナリオ集には「美女」とある。

■ズォーダー&ガイレーン

シナリオ集では「瞑想の間」と呼ばれる部屋。
ザバイバルとゴーランド、二人の会話が聞こえる。

ガイレーンは言う。ガトランティスに親子という概念はないと。
しかし、それでも親子の情に似たものが生じているようだと。

戦闘生命としては未完成品なのか?
それとも、創造主がわざとそういう要素を残したのか?

ズォーダーは言う。テレサを手に入れれば我らの望みは叶う。
他のことはそれまでの余興でしかない、と。

しかしガイレーンは、大帝が仕掛けた罠を切り抜けたヤマトについて問う。
テレサの祈りに応じてテレザートへ向かっているヤマトは
特別な存在なのではないか、と。

「ヤマトに純粋体のコピーが潜入」とあるので
透子はサーベラーのコピーで、サーベラーは「純粋体」らしい。
「純粋体」とは何を意味するのか?

■透子

その透子は、医療室で佐渡の助手として働く。
診察されているのは古代。分析結果を見て眉をひそめる佐渡。

■針路

今後のヤマトの針路に関して作戦室で会議。
1/3の行程を消化したとのこと。
しかしテレザートの前には白色彗星が。

「2202」において、はじめて白色彗星という言葉が出ましたね

ガトランティスの拠点かも知れない天体である。
すすむべきか、退くべきか。そこへ藤堂からの指令が届く。

「白色彗星を偵察せよ。どこまでやるかは任せる」

要するに丸投げですね(笑)。

■繊細な古代

土方に古代の憔悴振りを報告する佐渡。
波動砲問題、ズォーダーとの対決、ヤマトの指揮を執る重圧。
そりゃあ参ってしまうわなあ。
リメイク世界の古代は良くも悪くも真面目で完璧主義者なようだし。

「強く振る舞ってはいても、根は繊細な男ですから」

そこへ現れる雪、土方は言葉をかける
「心配ない、古代はきっとこの航海をやり遂げる。
 お前の選んだ男だ。他に誰があいつを信じてやれる」
「はい・・・はい!」二回の「はい」の演じ分けがいいね。

■格納庫の空間騎兵隊

パワードスーツが初お目見え。シナリオ集によると、
ヤマトの備品を流用して急遽こしらえたものらしい。
新設された工作室が大活躍したんだろうね。
ということは制式武器ではないんだろう。だから
「装甲の薄さと出力不足は技量で補うんだ」なんて台詞が出てくるのか。

そこへ現れる無数の赤い発光体。

■いわゆる "宇宙ホタル"(笑)

真田の分析によると、ある種の生命体のよう。
艦内に持ち込まれる数はあっという間に増え、発光体が蔓延する状態に。
それを見つめる乗組員たちの瞳が赤く染まって催眠状態へ。

窓を見つめる山本。映るのは兄の幻影。それにキーマンが重なる。
この二人、やっぱりフラグなのですかねえ。

■古代vs斉藤

艦内を歩く斉藤は古代と出くわす。さっそく因縁(笑)をつける。
催眠状態にあるとは言え、ここでの台詞は斉藤の本音だろう。

「古代、おまえって運のいい奴だよな。
 十一番惑星でもシュトラバーゼでもお前は運に助けられただけだ。
  まだ本当に厳しい決断をしちゃいねぇ」

これは事実。波動砲については、おそらくこの先に
もっと厳しい状態での使用を迫られる場面が出てくるだろう。
しかし次のひと言に古代はキレる。

「まっぴらだぜこんな臆病者のフネ」
「取り消せ!」

雪、永倉、その他大勢が二人の元へ集まってくる。
加藤が止めに入るが古代は言い放つ「肩書き抜きだ」

「俺は何を言われたっていい。
 だがこいつはヤマトを・・沖田さんの舟を・・・
 謝ってもらう!」

古代もいろいろ溜まってたから、ホタルのおかげでタガが外れたのだろう。
シナリオ集では、ここで集団大乱闘になるんだけど
本編ではそうなる前に、機関部に異常を示す警報が入る。

■ホタル撃退

真田はホタルの催眠波を無効化する方法を発見していた。
そのおかげで正気に戻る斉藤と古代

「斉藤隊長、緊急事態だ。ここは頼む」何を頼んでるのか不明だが
「おう!」君も、何を頼まれたかわかってるのか隊長?

「こいつらシステムを喰おうとしている」

ホタルは催眠は無効化しても脅威は残っている模様。
ホタルを一掃方法に苦慮する真田・徳川・古代のまえに
現れるアナライザー。何やら背中に背負っている。
そこから吹き出す謎物質でホタルは炭化、死滅する。

どうやら殺虫剤のようで。
佐渡先生の「こんなこともあろうかと」でした。

■キーマンvs透子

通路を去るキーマン、そこに現れる透子。
どうやらキーマンの仕掛けをすべて知っているよう。
ヤマト艦内のスパイ行為をしているうちに気づいたのか、
それとも精神感応的な力を持っているのか。

シナリオ集によると、この宇宙ホタルは
透子の仕込んだものらしいのだがその目的は不明。
描かれていないところで何か起こっているのだろうか?

                                                            (つづく)

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「宇宙戦艦ヤマト2202 愛の戦士たち」第三章 感想・・・のようなもの その10 [アニメーション]


第9話 ズォーダー、悪魔の選択  (5/5)

※ネタバレ全開です。未見の方はご注意ください!

■思い切った演出

そして今回描かれたのは
Aパートではズォーダーと古代の対決、
Bパートでは古代と雪の "究極の愛"。

惑星シュトラバーゼという舞台も、
反ガミラス統治破壊解放軍という乱入者も
すべてはこの2つを描くためのお膳立てに過ぎない。

この2つを描くために、そしてそれを最大限に強調するために、
余計な要素はすべて取っ払ってしまった。
説明不足なところや唐突なところもあるがすべてはそのため。
そしてそれは、Bパートにおいて特に顕著だ。

一例を挙げれば、避難民に紛れ込んだ蘇生体が
ガミラス艦の機関部に易々と侵入できたのはなぜだ、という疑問にも
その気になればいくらでも理屈づけて描くことはできたはずだ。

例えば蘇生体はガトランティス兵士並みに "不死" (当たり前だが)で
ショッカーの改造人間並みに驚異的な膂力を発揮する、
みたいな描写を入れれば
ガミラス兵をバッタバッタとなぎ倒し、機関部へ突入するところを
視聴者に納得できるように描くことは充分にできただろう。

でも、演出するスタッフは、"そういう部分” は
"この回で描きたいもの" にとっては "枝葉" であり、場合によっては
(言葉は悪いが) "雑音" になると判断したのだろう。
だから一切合切きれいに外してしまった。

すべてはズォーダーとの対決を、
そして二人の "愛" のシーンを描くことに徹底している。

思い切った演出ではある。しかし諸刃の剣でもある。

改まって説明されない部分が少なくないので
理解できない、展開について来られない、
フラストレーションが溜まる人も出てくるだろう。

ヤマトと反乱軍との戦いさえも "枝葉" になり、
ぶつ切り状態での展開となった。
「ヤマトは戦闘シーンがあってなんぼ」
「土方の指揮振りをもっと見せろ」
という不満を抱く人も出てくるだろう。

古代と雪の二人のドラマをがっつりと描いたはいいが
「ヤマトにメロドラマは不要だ」
「あんなうじうじ悩む古代は見たくない」
という批判をする人も出てくるだろう。

説明第三章の評価が割れるのも分かる。
リメイクならではの「今までにないヤマト」だったがゆえに
「これはオレの見たかったヤマトじゃない」って
思った人も多かったのだろう。

■ "愛" vs "愛"

ではなぜ、二人に今回のような行動をとらせたのか。

「2202」がヤマトの物語であるなら、
最終的に "敵" であるズォーダーは倒されねばならない。
そして、そのときにはズォーダーの唱える
"大いなる愛" なるものもまた否定されねばならないはずだ。

そしてそれは、波動砲などを含む武力で殲滅することではなく
(実際、ガトランティスを武力で圧倒するのは、戦力的におそらく無理)
人と人との間の愛、男女の愛であり、親子の愛であり、
他人の幸せを祈ることのできる愛、によって
為されなければならないのではないか。

そしてそれを体現する存在として「古代と雪」という、
究極の "個の愛" を選んだ者たちが、
ラストでふたたびズォーダーと対峙するのだろう。

大帝に否定されてもなお愛することをやめず、
再び悪魔の選択を迫られてもやはり同じ選択をするであろう二人が。

トロッコ問題に正解はない。
どの答えを選んでも、後悔は残る。
だってそれが「人」というものだから。
その後悔を抱いて生きていくことこそが「人の生」だ。
そしてその「人の生」の中にこそ「幸せ」も存在する。

どの選択をしても心が痛まなくなったら、それはもはや人間ではない。

前回は大帝の言葉に翻弄されるばかりだった古代が
テレサと出会い、ガトランティスと戦い、この旅を通じて成長した古代が
再びズォーダーと対決したときに何を語るのか。

楽しみではあるのだが、ちょっぴり怖いような気がして、
一抹の不安を感じることを否定できないでいる私がいる。

やっぱり「さらば」のトラウマは拭いがたいものがあるので(笑)。

断言できることは、問答無用とばかりに
旧作のように自らの命をもってズォーダーと "対消滅" を図るような
ラストになったら、私は「2202」を否定する側にまわるだろう。

そうならないことを祈るだけだ。

■真の主役

「雪の行動が突飛すぎる」という意見もあるだろう。

でも、「2199」第23話で第二バレラスの破壊を決意したとき、
雪は自分の生還を諦めてはいなかったか。
その行動はヤマトを救うためではあったが、
その本質は「古代に生きていて欲しかった」ためではなかったか。

「2199」第23話で、そして「2202」第9話で。
あの場面であの行動が選べる雪だからこそ、
ラストでズォーダーに対抗しうる存在たり得るのではないか。

この第9話は、古代と雪の二人が「2202」という物語において、
"真の主役" となった回なのだと思っている。
二人の "戦い" はむしろここから始まるのではないのだろうか。

■「愛の戦士」は伊達じゃない?

ズォーダーの唱える "愛"、古代と雪に代表される "男女の愛"。
加藤一家に象徴される "親子の愛"。
(ひょっとするとここにはゴーランドとノルが加わるのかも知れないが。)

登場人物たちが何かしら "愛" を背負っていて
「愛の戦士たち」という副題が伊達ではなく
まさしくその名の通りの物語であることを示したのが
第9話だったのだろうと思う。

■ヒーロー物語として

とまあ、長々と感想めいたものをだらだら綴ってきたのだけど、
ここまで書いてきて、ふと思ったことは
「要するに今回の古代は、負けなくてはいけなかったのではないか」
ということ。

ヤマト自体は負けてないけどね。
反乱軍は退けたし、古代と雪、それに
三隻のガミラス艦隊まで救ってしまったから。

負けたのは古代のメンタルだ。
大帝のいいいように振り回されてしまい、もうボロボロだ。

でも、物語の作法(さくほう)からしても、
ヒーローは「一敗地に塗れる」ことなくして
勝利をつかむことは出来ないものだからね。
それでこそ物語は盛り上がる。

最終的にズォーダーに勝つためには、
古代は一度コテンパンに負ける必要があった。
それが第9話だったんじゃないだろうか。

                                                            (つづく)

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